アソビのタネ

子どもがいるならどこでも「もっと楽しく」「もっとのびのびと」「もっと安心して」いられる現場づくりでの実践を記していきます。

子どもがつどう遊具 in面瀬川ふれあい農園

2017年11月18日(土)~19日(日)の2日間、面瀬川ふれあい農園で2日間連続の遊び場を開きました。

休耕田を地域の子どものために開放していた面瀬川ふれあい農園ですが、農地には様々な制限があります。しかし、今年の夏に土地の登録を変更し、遊具を設置できるようになりました。今回は連続開催の中で子どもと一緒に遊具をつくりました。

 

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連続開催の前日。木材を運び込み、1カ月間プレーワーカーズにインターンに来ているダン君と一緒に柱を立てました。遠くから柱の傾き具合を見て、ゆがみを直す作業が一番大変でした。数センチ単位で微調整です。

 

準備しながら天気予報を見ると、土曜日は雨、日曜日は極寒の予報。天候が一番不安な連続開催でした。

 

【1日目 たくさんの手によって、すべり台完成!】

遊び場が始まる2時間前から準備していると、いつもの電動カートがゴトゴトと鳴りながら地主さんが遊び場に来ました。

「手伝おうか?」

と言って、木材を上にあげたり、ビスを手渡してくれたりしました。

「昔は重い物も持てたのに、身体が動かなくなってしまった」

そう言いながら、子どものために出来ることをしようとする、強い想いのある方です。

 

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仲間と一緒にすべり台をつくることはあっても、自分が主導で作ることは初めての今回。試行錯誤しながら作っていると、今度は地元の宮大工さんが遊び場に来ました。

「おお!すごいもの作っているね、棟梁!でも、これじゃあダメだね、ここが曲がっている。」

本職の大工さんが加わり、どんどんと作業が進みます。直角をはかり間違ったところは、宮大工さんの手によって、ぴっちり修正されました。

 

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そこに、地元の子ども達が来ます。

「うえ!?なにこれ?なにしてるの?」

「なにして遊ぼう?」

「一緒につくってもいいの?」

まずは上に登れるようにしようと、子どもたちはハシゴを作ることにしたようです。

 

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どこまでで完成というものはないのですが、気が付いたら“初すべり”されていました。

 

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この遊び場は常にスタッフが居るわけではないので、台の上に柵を付けます。

「せっかくならカッコイイ柵がいい!」

ということでジクザクにしてみたり、屋根みたいな柵にしたところ、完全にサザエさんのエンディングのような…デジャヴな形になりました。

 

雨予報だったので、すべり台作りができないのでは、と思っていましたが、結局ほとんど降らずに暖かい日でした。

 

【2日目 子どもが集う、遊ぶ、ぶつかる】

 

2日目は天気予報通りの極寒の朝にもかかわらず、朝から子どもが集まり始めました。

 

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中には、両手に木の枝を持ってくる子どもも居ました。

「今日寒いから使うと思って!」

 

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ありがたく熱々野菜スープと焼き芋に使わせてもらいました。

 

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暖をとって、ごはんを作って食べて、遊ぶ。
この日の面瀬川ふれあい農園は、“遊ぶ”だけでなく、“暮らし生きる”場所になっていました。

 

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すべり台づくりのワクワクがひと段落すると、子ども達はゆっくりと遊び始めます。

ボール遊びをしたり、ウクレレを弾いてオリジナルソングを作ったり、のこぎり1本で丸太切りに挑戦したり。

 

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気仙沼市内から集まった子どもたちは、知り合いも初めて会う子も様々。2日目は場所と人に慣れてきて、いろんな表情を見せてくれました。そうした時間にじわじわと見えてくるのが、子ども達の個性でした。

 

学校では問題児とされているらしい子どもは、話していると空想が混じり始めます。

「あの子の手袋を探しているんだけど知ってる?」と聞くと、

「知ってるよ。こっちだよ。ここにあったんだ。スコップで穴を掘ったら手袋があって、僕が隠したんだけど、さっき鳥がくわえて森の方に飛んで行っちゃったんだ。」

結局、手袋はリュックから見つかりました。

 

この子の話している表情はごく自然で、普段からこんな話し方なのかもしれません。一緒に来た友達以外とはほとんど遊んでいませんでした。しかし、遊び場では“問題児”だとは思えませんでした。

 

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ある子どもは、何度か年下の子を泣かせてトラブルを起こしていました。

その度に「こいつが悪いんだ!」と言います。原因を聞けば、遊んでいたビニールハウスのドアをこいつが閉めた、おれのリュックを触った、など遊んでいれば起こりそうなことばかりです。相手を突き飛ばし、怪我をさせそうになった理由が、「カードゲームのレアカードに傷がつくとレートが下がるから」というのは本当に驚きました。

 

本人はカッとなりやすい性格だと言っていましたが、そうなってしまった原因はどこにあるのだろうと思いました。

 

そんな気になる子どもが居るなか、「気にならない子ども」に寄り添えていたのか、振り返ることは尽きません。

 

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のべ50人ほどが遊びに来た2日間連続開催。

初雪が降る中、子どもは急ぎ足でそれぞれ帰って行きました。

その背中を見送りながら、今後も面瀬川ふれあい農園でプレイワーカーとして現場に立ちたいと思いました。

 

 遠藤みゆ

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子育て支援スキルアップ研修を開きましたin気仙沼

2017年11月13日に気仙沼市のワンテン庁舎で「子育て支援スキルアップ研修」を開催しました。秋晴れで穏やかに明るい日差しの中、児童館・保育所の職員や、子どもに関わるNPO職員、子育て中の親御さん、のべ48名が参加しました。

 

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午前・午後の二部構成で、午前は児童健全育成推進財団の阿南健太郎さんをお招きして講演会、午後は当団体の神林がプレイワークの研修を行いました。

【午前:子どもの育ちを支援する専門職の存在】

阿南さんがマイクを持つと、会場の空気がやわらかくなります。

はじめに阿南さんは

「まずは周りの3人の方とコミュニケーションをとってください」

と言いました。目が合ったらハイタッチやお辞儀、握手、会場に笑い声が響きました。

 

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子どもと大人ではなく、まずは“人と人”がコミュニケーションをとるって、どういうことなんだろう?何かが繋がるってどんな瞬間なんだろう?

マニュアル化した笑顔で子どもと関わるのは違う。子どもは大人の行動・人間性・雰囲気、そのままの大人を見てくる。

 

そんなお話からスタートしました。

 

写真を使ったワークでは、日常の子どもの情景を考えました。子どもは日常でいろんなことが起こります。家では見せない姿を子どもは私たちの前で見せているかもしれません。

その子が何を考えているのだろう?と考えるのが私たちの仕事の価値だと阿南さんは仰りました

 

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地域と家庭の繋がりが希薄になっている現在、子育て支援は充実してきましたが、子どもの環境の困難さは増しています。「切れ目のない支援」が子どもには必要と言われますが、現状はどうでしょうか。

 

就学前・就学後・中学校・高校の段階、家庭の事情で学童をやめた子が居場所を求めて児童館に行くようになった場合の連携ができているかなど、様々な切れ目が見えてきます。

「この会場にも“切れ目”はあるかもしれないですね」

と言われ、ドキっとした方もいたかもしれません。

 

子どもが虐待されたり、学校に行かなくなったり、気になる子どもは支援の手が入りやすいです。しかし、私たちが注意すべきなのは「今、課題がない子」だと阿南さんは言います。

今課題がなくても、明日課題が生まれて転落するかもしれないからです。

たしかに仕事で子どもに関わると、気になる子どもに目が行きがちで、スタッフ間の話も気になる子どもの話に偏ることが多いかもしれません。

 

このことは、子どもの権利条約に含まれている、well-beingの考え方に繋がっていると思いました。well-beingの意味として「困っている人に支援するのではなく、すべての人が、よりよくなるように支援する」と言われても分かりにくいかもしれません。しかし、「課題のない子」も見つめてみよう、というのは日々現場に立っている職員が意識すれば、すぐ実践できるのではないかと思います。

 

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子育て支援の制度は充実してきていますが、「人を救うのは制度ではない、人です」と阿南さんは強く言いました。児童館や保育所のスタッフは、子どもの環境の一部として大きな位置にあるのですが、その価値を自覚している人は少ないかもしれません。

 

ただ子どもと遊ぶ人、世話する人ではなく、子どもへ向けるまなざしや日々の関わりは、「その子どもに影響を与える環境のひとつ」です。その専門性を自覚する必要があると思いました。

 

かける言葉、提供しているサービスなど、子ども時代の影響はその人の一生に関わります。子どもに姿を見られているからこそ関わる大人は、自分がどうあるべきか、自分に問うて自分を高めるのが大事なのだそうです。

 

阿南さんは会場に問いかけました。

「あなたは幸せですか?」

 

 

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幸せでない大人は子どもに幸せを与えることはできません。

子どもと共に育つことができるのが、私たちの仕事の魅力でもある。

子どもにとっていい影響のある大人で居たいと願い続けてほしい。

 

そんな言葉で午前は締めくくられました。

仕事というより、人生観など“本当の豊かさ”を改めて考えさせられる講演でした。

 

【午後:プレイワーク「子どもの遊ぶ世界を感じる」】
午後は当団体事務局長の神林がプレイワーク研修を行いました。昨年も12月に子育て支援関係者を対象にプレイワーク研修を行いました。今日参加した方で、昨年も来てくれた方もいました。

 

昨年の研修の様子↓

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今回は、昨年2月に受けたイギリス研修写真も合わせて、新しい内容の研修を行いました。

壊れたマネキンや廃車が置かれたイギリスの遊び場の写真、見知らぬ人同士が遊ぶ広場の卓球台の写真、狩った動物の頭が隣にある子どもの日常の写真。

 

同じ子どもでも、置かれている状況や過ごす環境がまったく違うので、会場がどよめいていました。しかし、神林が事例やデータで伝える劣悪な子どもの環境は、外国の話ではなく自分たちの町の話です。

 

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子どもにとって遊ぶことは生きること、と私たちは考えています。でも参加者は“遊び”をどう捉えているのでしょうか?

「子どもの遊びを食べ物に例えると?」という質問では各グループで様々な答えが飛び出しました。

 

お菓子!好きなのを選べる。

バナナ!お腹いっぱいに溜まってエネルギーになる。

3個中1個はずれのあるガム!喧嘩するかもしれないし、楽しいかも、どきどき。

わたぱち!いつはじけるか分からない。

お寿司!おいしいけど、ちょっとワサビがききすぎる時もある。

豚汁!あったかいし、栄養がいいし、眠くなる。

 

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遊びってドキドキわくわく、あったかくて満足する、そんなイメージを共有した後、今の子どもの状況を振り返ってみました。ゲームやお金のかかる遊び、消費型玩具があふれる世の中。子どもはお金がかからず豊かに遊べるはずなのに、なぜかお金で遊びを買っていることが多いようです。

 

遊ぶ権利は「子どもの権利条約」で定められ、子どもが生まれながらに持つ権利です。

子どもの権利条約に定められている4つの柱(生きる権利、守られる権利、育つ権利、参加する権利)と、子どもに悪い影響をもたらしている社会の動向を共有したあと、子どもの権利のエピソードをもとにしたディスカッションを行いました。

 

午後の後半に入ると、聞くだけではだんだん疲れてくるので、体を動かすワークも多く入れました。

 

お絵かきワーク。人によっては、絵を描いて発表することに苦手意識を持つ方も多いと思います。大人がプログラムを組む時、子どもによっては「やりたくないなぁ」「苦手だなぁ」と思うことがあります。その状態で参加させ、嫌な気分になるのは”空間のいじめ”とも言えます。そのため、大人はプログラムを組む場合に、子どもを主体にする工夫と配慮をしなければいけません。

 

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子どもは遊ぶ力があります。プログラムを作ること、消費型玩具を与えること、大人は与えているようで奪っていることもあるかもしれません。

 

遊びの支援ワーク。遊ぶ役と、遊びを邪魔する役になって遊んでみました。

 

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数分遊んでみると…

遊ぶ役「煩わしい!」「自分の好きにしたいのに!」

邪魔する役「あなたのためを想ってアドバイスしたのに」「こうした方がキレイな絵になると思って言ったのに!」

 

同じようなことは、もしかしたら子どもと関わる時に起きている可能性もあります。

 

次は遊ぶ役と寄り添う役に分かれてもう一度。

遊ぶ役は同じように遊びますが、寄り添う役は今度は遊びを見守ります。

 

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「やったーーーーーー!!」

ワークショップのはずが、本気の喜びの声が上がりました。

先ほどは邪魔されて積めなかったペンタワー。

 

“寄り添う”というのは難しい言葉ですが、子どもは本来遊ぶ力を持っているので、その子の主体性を邪魔しないことが重要なようです。

 

【研修を終えて】

私たちの研修は、子どもの遊びの感覚を思い出したり、体験したりするワークがたくさんあります。座って資料を見ているだけでは、子どもの感覚を理解することは難しいので、ワークを通してその感覚を伝えたいと思っています。

 

参加者の1人は、「子どもの時の感覚って意外と忘れていました。けど、思い出せたことで、その感覚が自分の中にあったことが分かってよかった」という声が聞かれました。

 

子どもの感覚を持って子どもの側に立つ仲間が増えることはとても嬉しいことです。

その感覚を知りたい!プレーワーカーズの研修を受けてみたい!方はぜひお気軽にご相談ください。
→ info@playworkers.org

 

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気仙沼市社協、初の子どものためのイベント主催

2017年11月5日、気仙沼市社会福祉協議会が子どものためのイベント「こどもわくわく広場」を開催しました。

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“子ども”を対象にイベントを主催するのは初めてとのことで、当団体は企画の段階から関わらせていただきました。

子どものためのイベントなのだから、子どもが主体になって過ごせるスペースが必要だと考え、遊び場のスペースは会場の半分を占めるほど、大きくとっていただきました。

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会場が駐車場だったので、木材を持ち込み、即席のすべり台をつくりました。


高いところが好きな子は何度も上に上がっていました。
暗いところが好きな子は、すべり台の下に小さな部屋をつくり、中でゆっくり汁物を食べていました。
登るのが好きな子は、力いっぱいすべり台からよじ登っていました。

「これじゃ、すべり台ではなく、登り台!?」
そう言って笑いながら登っていました。

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すべり台は子どもと一緒に作りかえて、どんどん形が変わっていきました。

また、段ボールや木材など、子どもが加工できる素材と道具を用意しました。
気が付けば、大きな家ができていました。

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そして、のんびりできる空間をつくるために、芝生やこたつを敷きました。
初対面のお父さんと子どもが将棋していました。

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普段は普通の駐車場がこの日は子どもの声であふれていました。

これをきっかけに気仙沼市社会福祉協議会と繋がることができました。
今後の企画もあるようで、これからも”気仙沼の子ども”について共に考えて行けたらと思います。


遠藤みゆ

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放課後児童クラブ×プレイワーク

秋晴れの暖かい祝日、当団体の神林と遠藤は埼玉県上尾市の子どもの城公園にて遊び場を開きました。

 

「第35回あげおこどもまつり」

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プレーカーによる移動型遊び場ですが、今回は参加するスタッフの研修という目的のある遊び場でした。規模は大きく、約1800人が来場しました。

 

依頼をくださったのは、NPO法人ハンズオン埼玉の西川正さん。

 

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放課後児童クラブの運営に携わる中で、放課後児童クラブに プレイワーク を取り入れられたら、もっと子どもにとっていい環境になると考えたそうです。

★プレイワークとは

1980 年代に生まれ、イギリス・ドイツなどで広く定着している、子どもの遊びに関わる大人の専門スキルです。子どもは大人がいなくても、自らが遊ぶ力を持っているものです。しかし、近年の子どもを取り巻く時間、空間、仲間環境のもとでは、子どもは本来の力を発揮しづらくなっています。プレイワーク「その力を発揮し、いきいきと遊ぶことのできる環境をつくること」です。子どもへの関わり方(言葉のかけ方、関わる関わらないのタイミング)、遊具・道具・素材の選び方や配置、導線の考え方、土・水・木等の自然環境の生かし方などなど、プレイワークは奥深いスキルです。

 

現場のスタッフは、感覚的に プレイワーク に近い考えを持って働く方もいますが、その意味を言葉で保護者等に伝えることができていないそうです。

 

西川さんは、

「放課後児童クラブは大人の都合で子どもが預けられるところだけど、”放課後”って課されたものから解放された後って意味なんだから、子ども都合の時間が必要だよね」

と言います。

 

そんな子ども主体の、価値ある時間を任されている放課後児童クラブのスタッフは、「ただ世話をして遊んであげる人」ではないはず。

 

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しかし、子どもが余暇を過ごし、遊んだりのんびりしたりする時間の価値を、説明する言葉を持ち合わせておらず、スタッフ自身もその価値を理解しないまま子どもに関わっている現状があるようです。

 

今回は、研修とは言ってもワークや座学ではなく、子どもが主役である遊び場で、プレイワーカーと共に過ごし、気づきを持ち帰っていただきました。

 

ある児童指導員は、

「自分は子どもを自由にさせてきたつもりだったけど、もっと考えることがあるかもしれない」

と話してくださいました。

 

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私たちはその土地にいる人間ではないので、イベントが終われば、この土地を去ります。しかし、子どもの日常に関わる大人が何か気づきを得られたとしたら、1日だけの遊び場であっても、行く意味は大きいと思いました。

 

また、西川さんが私たちを呼んだ理由に、東日本大震災を経て、厳しい環境に置かれた子どもに向き合ってきた経験があるという理由があります。

 

遊び場を開いて1日過ごしてみると、言葉や行動が荒々しいストレスの感じられる子どもや親、気になる子ども達が何人も見られました。

 

子どもの生きづらさは、被災地よりも深刻なのではないかと疑うほどです。

 

その危機感を共有するためにも、西川さんはプレーカーを呼んでくださったのだと思います。

 

今後は、放課後児童クラブのスタッフ向けの研修を継続する予定です。共働き増加に比例して放課後児童クラブに通う子どもが増えている今、そこに プレイワーク が浸透し、子どもが主体で過ごす時間が増えていってほしいと思います。

 
当団体のプレイワーク研修について↓

playworkers.org


遠藤みゆ

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【かったぁとプレーパーク in 名取】

平成29年度名取市市民協働提案事業「冒険遊び場」かったぁとプレ-パークを2017年10月27日~11月5日までの10日間連続開催で行います。時間は10:00~17:00 好きなときに来て好きな時に帰れます。申込み不要。参加費無料です。

場所: 下増田小学校、増田川の南側の田んぼ
対象: 子どもから大人まで、どなたでも
内容: 木・竹工作、火おこし、秘密基地づくりなど
持物: 泥で汚れてもいい服装、着替え
問合: 022-397-7507(プレーワーカーズ 須永)
アクセス: 駐車場がありません。美田園駅周辺の駐車場をご利用ください。仙台空港アクセス線美田園駅下車徒歩15分、看板を目印に田んぼへ行くと「あそぼっカー」「あそぶーぶー」とペイントされた車があります。そこが「かったぁとプレーパーク」です!

 

■主催:名取市
■実施主体:「一般社団法人プレーワーカーズ」「オレンジあそviva」
■この事業は「みやぎ地域復興支援助成金」「NPO法人日本冒険遊び場づくり協会 特定目的募金プレーカー活動助成金」を活用し実施しております。
■田んぼを貸してくださった「株式会社美田園ファーム」さん、ご協力ありがとうございます!!

 

 

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\ 子どもの遊び場。大人も遊ぼう。/

「遊びを子どもの日常に」
子どもの遊びは非日常のイベントではありません。生活の中にいつでもあるものです。だからこそ育ちにつながるのです。
子どもが生まれ自然に始める「遊ぶ」という行動は、「食べる」「寝る」と同じ意味があります。その生命的な意味を十分に満たす遊びができる環境を、大人がつくらなければならないのだと思います。

 

「子どもがもっと自由に安心して闊歩できるまちへ」
少子高齢化し少数派となった子どもは、過剰に干渉・管理され、自分で行動の選択をする自由はなく、多様な価値観や人生に触れる機会もなく、退屈な日常を 紛らわせているのかもしれません。子どもがもっと自由に安心して まちを闊歩できるようにしたい。そして闊歩する子供の基地となり得る自由で創造的で伝承的な遊び場をつくりたいと思います。

 

「〇〇していいですか?」
ここでやることに、大人の許可は必要ありません。スタッフ(プレーワーカー)はおりますが、「これ作ろうか?」とうながしたり、「今日はこれします!」とプログラムが決まっているわけではありません。何をするかは自分で決められ、何もしないのも自由です。

 

「かったぁとプレーパークって何ですか?」
それは刈った後プレーパークのことです。稲刈り後の田んぼで子どもの遊び場づくりをやります。対象は0歳から200歳まで?!申込み不要、参加費無料。雨天決行です。木っ端、のこぎり、金づちがあるので木工作ができます。端材があるので秘密基地づくりができます。だから汚れても気にならない服装でくると、心置きなくいっぱい遊べます。

 

「名取に常設の遊び場を」
去年夏、十三塚公園で市民団体「オレンジあそviva」主催、名取市から後援を得て、プレーパークを行いました。「明日も遊びたい」「毎日でも参加したい」「子どもにとって必要な経験が得られる場。ぜひ継続してください」との声を多数いただきました。
今年は名取市との協働事業で開催することができました。市民のみなさまの遊び場への理解を得て、今後名取市での遊び場設置への足掛かりにしたいと思っております。

 

実施は、宮城県内を中心に各地域住民の方と遊び場づくりを行う【一般社団法人プレーワーカーズ】〒981-1241名取市高舘熊野堂字飛鳥中3 022-397-7507と、増田西公民館・地域力向上プロジェクトから発足した市民団体【オレンジあそviva】が行っています。

 

 

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↑ かったぁとプレーパーク(田んぼ)までの道中に置く看板作成

 

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↑ 下増田公民館前の歩道植込みに看板設置完了~

 

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↑ TBCラジオカーが子どもの居場所「〇〇」にきて、「かったぁとプレーパーク」の宣伝!

さあ、いよいよ明日から「かったぁとプレーパーク」スタート。秋の日の短くなる時期に10日間連続開催なんて。寒くはないのか。(自分耐えられるのか?)


台風去って今日はいい天気。また発生した台風を気にしての開催になります。先日の台風ではこのへんの田んぼは冠水しました。次の台風が東北に近寄らないことを祈ります。万が一警報が出たらその日は中止にしますのでご了承くださいませ。

\初日27日は、名取市立第二中学校の2年生の仕事体験もあります/

どんな遊び場になるのか、こうご期待!!

須永美佳

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仕事博覧会 in 名取市立第二中学校

2017.8.24 名取市立第二中学校で行われた仕事博覧会。

名取市での中学校では初の試み。名取市の行政、企業等が25社集まり、2,3年生へ向け行われました。

 

企業がどんなことを思って事業を行っているのかを子どもたちへ伝えたい校長先生の想いが実りました。どんな業種の企業にも共通するのは、なぜその事業を行っているのか、ということにつきるのかなぁと思います。

 

特に、私たちプレーワーカーズのような、物を売って商売していない、サービスも売っていない、じゃあどうやって会社を維持しているの?なんでそこまでして事業を行うの?といった疑問はよく聞かれます。

 

なぜその事業を行っているのか。どの企業にも通じるものなのだと思います。

 

実際に面と向かってお話させていただいた中学生のひとりは、こんなプレーワーカーズのような慈善事業のような金にもならないことを平気で会社つくってやっていることが、目にも鱗だったようです。彼の話しを詳しく聞いたわけではなくこちらの話しを一方的にして、その彼の表情から読み取れたことではあるのですが、何か救われたような表情をしていたのが印象的でした。

 

子どもたちの内に秘めたものを大事にしてくれる大人がいる。子どもの味方になって子どもの代弁者のような大人がいる。そんな大人がいるんだ!っていうことを感じてくれたのかなぁと思いました。

 

そして彼が一言言ったことは

「自分、高校落ちたら、ここ入っていいですか?」

でした。

 

終わってから我々が思ったことは、

「落ちたっていいじゃんか。」

 

高校に受かることだけが人生じゃないじゃん。もしくは来年また受ければいいじゃん。たったひとつしか道がないから悩むのであって、たったひとつしか道がないから不安になるんじゃないかな。道はいっぱいあるんだよ。それを知ってよ。道っていう一本線じゃなく、面になってワーって広がっている。子どもたちの未来はいっぱいに広がっている。それを知ってほしい。

 

さて、この仕事博覧会を受け、次は生徒が各企業へ出向き、実際に職場体験します。
プレーワーカーズには、10月27日から始まる名取市協働提案事業・冒険遊び場「かったぁとプレーパーク」に体験しに来ます。


どんな感じになるのかいまからワクワクです。

またご報告させていただきます。それでは。

 

須永美佳

 

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↑ 名取二中で仕事博覧会開催するきっかけになった関川さんの記事。

 

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↑ 仕事博覧会を終えて名取二中の学校だより

 

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↑ 仕事博覧会に参加した企業の方、先生方、PTA役員さん、ボランティアの仙台大学の学生さん。

 

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子どもの遊びと危険管理

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 2017年10月14日

宮城県大崎市鳴子温泉にある、鳴子保育園にて、当団体理事廣川和紀が職員研修を実施しました。

 

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子どもたちには、自由でダイナミックに遊んでもらいたいなと思う反面、ケガのことや保護者のことも頭をよぎります。

その板ばさみをどう解消するかというのが、課題でした。

 

「遊ぶ」って何?どういうこと?

という基本的なことから始め、子どもの頃、1番心が動いた瞬間を聞いていきました。

そうすると、最初から話が止まらない。

こんなことして遊んだ。あんなこともした。

その多くが、危ないなーと思うようなことだったり、今の世の中ではできないことでした。

「昔だからね〜」

そうやって、どんどん子どもの自由度は狭まっています。

 

でも、それでも守りたい大切なことってありますよね?

「やってみたい気持ち」「挑戦と失敗」などなど。

ココの気持ちが強くないと、子どもの遊びを制限する側になってしまいがち。

 

改めて、そんな確認をしつつ、「リスクとハザードの違い」を僕の失敗事例とともにお伝えしました。

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「ハザード」 と一概に言っても、その時の状況、子どもの様子、その子の経験値などによって変わります。

それを想像するために、例題を元に話し合いをしてみました。

 

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 「この場合のリスクはなんだろう?」

「ハザードはなんだろう?」

 

そして、「ハザード管理」の話に移ります。

 一概に危険だからと言って、全部禁止したり、取り除いたりするのではなく、どうすればリスクを残したままハザードを取り除く工夫ができるのか。

そんなことを考えました。

 

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度々ブログにも書いているハックの家の遊具づくり。

これも、コミュニケーションによってハザード管理をするひとつの方法だと思っています。

 

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最後に、園庭に出て、現場で悩んでいることなどの質疑応答をしました。

 

そんな中で、

「砂場の枠、片面取っちゃうか!」なんていう面白い発想も生まれました。

園庭全部が砂場で、泥んこ遊びになったって良いじゃないか。

砂場の砂を出しちゃいけないなんて誰も言ってない。

ただ、なんとなく常識的に出すという発想がなかっただけなんだ。

 

そんな気づきも生まれたところで、研修会は終了となります。

 

今度は、11月の終わり、雪の降る前に、園庭を使って多いに遊んでみることになりました。

楽しみですね^ ^