アソビのタネ

子どもがいるならどこでも「もっと楽しく」「もっとのびのびと」「もっと安心して」いられる現場づくりでの実践を記していきます。

プレイワーカーと子どものまち・いしのまき

理事の廣川和紀(かずき)です。
プレイワーカーの冬は文章を書く仕事が多くなります。
そんなことより、もっともっと子どもに寄り添って欲しいと思われるかもしれませんが、プレイワーカーの視点から見た日々の子どもの様子を発信することも大切な仕事だと感じています。

 

先日、石巻子どもセンターらいつに行くと、開館前から子どもが待っていました。


「あ!かずき。久しぶりー!!こないだの鍋パーティー結局引き分けだったよね?」
「こんなところで会えるなんて嬉しいなー」
「子どものまち、今年も参加するよ。次の日程決まったの?」


ホントにこんな感じで矢継ぎ早トークを受けました。

でも、ここで話したいのは、僕が好かれていることや子どものまちが子どもに定着していることではありません。
こんなにも興奮して喋るほど、この子の人生に子どものまちが影響しているということです。そして、現状それは大人が作った世界であるということもです。

子どものまち・いしのまきは単なるイベントに留まらず、子どもの育ちに必要なものとなっています。

とても責任ある仕事だと改めて感じました。

その子の日常や背景を感じ取りつつ、また会う機会を作るために、持続可能な仕組みづくりを考えなければいけません。

 

廣川は、遊び場づくりの支援をするのと同時に、子どものまちの運営にも参画しています。


応援よろしくお願いします。

 
廣川和紀

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一般社団法人プレーワーカーズ 

〇プレーカー・プレーワーカーを呼びたい方、
講演・研修・遊び場づくりなど、その他ご相談はこちらへご連絡ください。
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〇ご支援のお願い
遊び場づくりの支援や、子どもを取り巻く課題解決のため、ご支援のほど宜しくお願い致します。
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アイスブレイク講座

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2018年2月10日(土)

子どもセンターらいつの会議室を使い、アイスブレイク講座を開催しました。

講師は、宮本大輝さん

 

研修講師として、企業向けだけでなく、国家公務員向けの研修を行う。テーマは、「ファシリテーション」「コーチング」「ロジカルシンキング」など。即興演劇インプロゲームや冒険教育を応用した体験型の研修が特徴。
役者歴:子役経験から数えて25年
即興役者歴:8年
ファシリテーター歴:学生時代から含めて10年

 子役として、大河ドラマに出演したこともあるそうです!

 

そんな宮本さんを講師に招き、体を使ったアイスブレイクのゲームを体感していきました。

 

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その後、連想ゲーム、超超超高機能カメラの開発会議などを経ていくうちに、インプロの世界に誘われます。

 

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インプロとは、即興演劇のことですが、教育、福祉、ビジネスの世界で応用され、行われているそうです。

 

仲間の意見を否定せず、重ねていく、「YES and」の考え方は、制度の狭間で新しいものを生み出すNPO 業界でとても大切なことだと感じました。

 

Aさん、Bさん、Cさんの意見を聞きながら、合意形成していくような市民活動(特に遊び場づくりはその連続)の現場に立っていても、自分自身も当事者に近ければ近いほど、想いがあればあるほど、偏ってしまいます。

 

自分自身の日々の仕事を振り返る意味でも、とても有意義でした。

 

続いて、「YES and」は、自然と演劇に近いような体を使ったものに変わっていきました。

 

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何をしている写真ですかね?

たしか、

船のイカリにタコが絡まって、それをモリで突こうとしている人を見る人。

だったかな?

 

つまり、風景を重ねるワークでした。

初めて会う人同士でこんなに笑いあえますか?

文章で説明すること自体が野暮なので、ぜひ体感してみてください。

 

 参加した方の感想でも、ファシリテーターのスキルはもちろんのこと、空気感や表情でも変わることが分かったとありました。

また、子どもに戻ったようだったという感想ももらいました。

 

そこで、余談、というか、本題でもあるかもしれませんが、子どもたちの遊びは常にインプロ的です。

 

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例えば、この日の雪遊び

2歳の女の子が最近ハマっているおままごとをパパと始めました。

最初は、小さな雪の玉をやり取りしていただけなのですが、それを見ていた小学生の子どもたちが、お椀や葉っぱ、ツララなどを駆使して、ケーキ屋さんを作ります。

 

そして、いつの間にか子どもだけで遊び始めていました。

夏のバーベキューかまどは、家になり、お買い物をしたら持って帰ってケーキを食べます。

 

こんな風に展開していくのが、遊びの面白さであり、ここで変に大人が組んだプログラムを挿入すると、この子どもの空想時間が奪われてしまいます。

 

 提供させる遊びが多くある昨今だからこそ、子どもが自由に作り出せる遊びの場や時間を返してあげたいですね。

 

 廣川和紀

 

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いしのまきパパ会議始動!

2018年2月9日(金)

IRORI石巻にて、いしのまきパパ会議が始まりました。

 

【いしのまきパパ会議とは】

カタチは決まっていません!!バン!!!

つまり、これから考えるということです。

でも、想いはちゃんとあります。

 

①パパたちがつながる

自分自身がそうですが、仕事は仕事の時間、プライベートは家族との時間。パパ同士で話すことってほとんどありません。しかも、ママサークルやママ会はあっても、パパ会じゃちょっと気恥ずかしい。

 

②話す

他の家庭のパパは、何時に帰ってくるのだろう?
土日は必ず休み?
世間話でプライベートを話さないパパたちはそんなことすら実は未知。
夫婦関係は?
子どもとどうやって遊んでる?
仕事上の将来設計と家庭とのバランスはどう考えている?
などなど、実は話したいこともたくさん。

 

③利用し合う

どうせ、つながりあって、話をするなら、もっと建設的な話もしたい。ある意味異業種交流会。お互いの仕事のことも話しながら、協力し合うこともできるかもしれない。

④遊び場にパパ

市民による子どもの遊び場づくりの多くは、ママが中心となって活動しています。しかし、子どもにとって、父親の背中がすごく大事。手作り遊具や火おこしなど、パパが遊んでるだけじゃない?と思われるようなことも子どもにとっては、魅力的な出来事の数々に。 

 

【第一弾トークセッション】

金曜日の18:30から「パパだから始まる俺たちの人生」と名付け、トークセッションを行いました。

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トークを進めたのは、当法人理事の廣川和紀とファシリテーター、プロコーチ、インプロバイザーなど多彩な仕事をこなす複業家の宮本大輝さん。

 

まず、専門的な分野として、宮本さんから、カップルコーチングに関する話題、そして廣川からは、子どもを取り巻く環境とプレイワークについての話題を提供し、次にパパ当事者としての子育てに対する悩みや夫婦との関係についての失敗談などを交えながら、話を進めました。

 

「パパだから始まる俺たちの人生」とテーマ設定したのは、パパだからこそ、仕事も頑張りたいし、でも、子どもや家族との時間もつくりたい。さらに言えば、自分の時間も少しは欲しい。といった大きな悩みを多くの人が抱えているのではないかと思ったからです。

 

【グループディスカッション】

2人のトークを見てもらう、聞いてもらうだけではなく、参加者のパパたち同士で話し合う時間もたくさん作りました。

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「仕事」「人生観」「家庭・育児」「悩み」「その他」という5つのテーマを設定し、好きな所に移動してもらったのですが、どこが一番多かったでしょうか?

 

答えは、「人生観」チームです。

『人生を設計図どおりに進めるのか、積み木のように振り返ったらできているものなのか』、もちろん結論が出せる話題ではないですが、こんな深い話が出てきていました。

他のチームでも、『育児っていうのはどこまでなんだ?』という問いが出てきていました。各チーム、もう少し時間を長くとって、話し合えれば良かったのかもしれないですね。

 

最後に、育児とはどこまでか?という問いに対して、パパ歴最長、中学生のお子さんがおり、子育て支援NPOの代表をされている方に、答えていただきました。

 

「結局、生活全般に関わること、どれを取っても育児」

「洗濯も、ご飯食べるのも、仕事も、家族と離れているときも育児。そのバランスが大事なので、それぞれの家族で話し合っていくことが必要。」

 

名言!!「どれを取っても育児」のTシャツ作りたいですね。と盛り上がったところで、時間となり第一弾トークセッションは終了しました。

 

第二弾がどんな形になっていくのかは、この日集まったみんな次第です。

 

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最後に、御礼を兼ねての説明だけ加えます。

今回のこの企画は、みやぎ県地域復興助成金を活用して行われました。

 

一見、子どもの遊び場や復興とはつながりのない事業に見えるかもしれませんが、プレーワーカーズが行っている支援活動は、「市民による子どもの遊び場づくり」の応援です。子どもに対しての直接的な支援ではありませんが、「我が子だけでなく地域の子どもたちの育ちと遊びを考える市民」がひとりでも増えることが、子どもを取り巻く環境の改善につながり、地域住民の力による復興を可能にすると考えています。

 

そのためには、いわゆる「主婦」の力だけでは難しいと感じています。ましてや、男女共同参画の時代です。共に働き、共に子どもを育てていくためにも男性の力も必要不可欠です。実際には、働き方の問題など、個人では変えられないものもありますが、今回、パパだけで13名が集まりました。これは、いままであまり目にしなかった光景です。このつながりを大切にしながら、石巻の復興に寄与できるよう活動を継続していきたいと思っています。

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廣川和紀

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冊子well-being完成 -子どもの人権に障がいの有無は関係ない-

2017年5月から月1回程度のペースで開かれた「ハンディっこ座談会」では、障がいを抱えた子どもの親が集まり、日常のエピソードや悩みを話し合ってきました。参加者は移動型遊び場プレーカーで出会った方々、「コミュニティー広場ふぁみりあ」のメンバーが中心でした。「ハンディっこ」とは、この座談会の名前を決める時につくられた言葉で、ハンディキャップを持つ子どものことです。座談会には市の担当者も同席し、生の声を行政に届ける場にもなりました。

この座談会が始まるきっかけは、2016年のこと。当団体の神林は気仙沼市で子どもに関連する座談会活動を始めており、障がいに関する声も取り上げたいと考えていました。そこで、遊び場づくりの活動で関わっている「コミュニティー広場ふぁみりあ」の代表である佐藤さんに相談したところ、「障がいについて話せる場が欲しい」と賛成してくださりました。その後、気仙沼市の担当部局である係長からも賛同を得られ、プレーワーカーズ主催で「ハンディっこ座談会」が実現しました。

 

気仙沼市ではこれまで、障がい児の子育て環境について、当事者と行政が本音で話し合える定期的な場が無かったため、この座談会は新しい試みでした。

 

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【まわりからの視線が痛い】

座談会開催を重ねるにつれ、生活の中の困りごとが浮き彫りになります。「障がい児を育てていると大変そうなのは分かるけど、何が大変なのか具体的には分かっていなかった」ということに気づかされました。

 

・スーパーでちょっとした隙に息子を見失い、見つけたら、商品を床に一直線に並べていた!?

・病院の待合室でじっとしていられず、イスに立ったり、動き回ったり。

・触りたいと思った物には触りに行ってしまう。などなど

 

発達や精神に障害をもつハンディっこの謎の行動エピソードは、話していると笑えますが、その時そばにいる親にとっては気が気でないもの。周りの人の白い目を感じながら、わが子を引きずって退散することもあるようです。

 

身体の障がいでは、車いすや装具(身体障がいを軽減し、立つこと・歩くことをサポートするため装着する福祉用具)を見るまわりの目が痛いという話がありました。言っちゃいけない・見ちゃいけない空気を大人がつくり、近づこうとする子どもを抑えようとする親もいます。

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「子ども時代に健常の子とハンディっこが一緒に居られる場がほしい。お互いの理解のため。」という言葉が印象的です。子どもの時から“障がい”を知っているだけで、偏見は少なくなるはずです。地域や家族といった身近な人の理解を得ることも難しい場合もあり、“障がいというだけで市民権も人権もない”、“影のように生きていくしかない”と話す表情は諦めの色が滲んでいました。

 

 

【ハンディっこにやさしいまちは、赤ちゃん・高齢者にもやさしい】

発達・精神・身体など、障がいは違えど、皆さん口を揃えて言うのは「トイレ問題」でした。身体が不自由だったり、おむつがとれるのが遅かったり、ハンディっこは使えるトイレを探すのも一苦労です。

 

・身障者用のトイレが、まちのどこにあるか分からない!

・ユニバーサルシートがなくてベビーベッドを使う時もあるけど、大抵入口付近にあって大きい子どもが使っているだけでじろじろ見られる。

・お母さんが世話する場合、子どもが女の子だと、女子トイレに入ってできるけれど、男の子で大きくなると障がい者用のところに入らないといけないから大変。

・遠出すると、始終トイレ探し。

 

「トイレ難民」という言葉まで飛びだし、その苦労がうかがえます。

 

障がいの視点から見えてくる、まちの姿があるようです。

砂や砂利道や歩道のない場所は車いすにはつらい。カゴ型のブランコなど、障がいがあっても遊べる遊具がほしい。走っても飛び出しの危険のない遊び場。車いすのままで入れる、エレベーターもしくはスロープのある学校が増えてほしい、などなど。

しかしどの意見も、乳幼児を育てている親や高齢者から聞かれる声に似ています。

トイレ、公園、道、まわりの理解…

障がいに関する意見は少数派と捉えられることもありますが、これから子育てや介護をする人、つまりほとんどの人にとって他人事ではないのだと思います。

 

【子どもの人権に障がいの有無は関係ない】
障がいを持っていても、その子なりに「やりたい」ことがあり、その瞬間を生きています。しかし、「やりたい」を阻む“ハンディ”がたくさん潜む社会に生きています。

 

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冊子well-beingにも掲載しましたが、“ハンディ(ハンディキャップ)”とは社会的不利のこと。障がい者本人に課題があるのではなく、障がい者が暮らすうえで社会の側に課題があることを指しています。


課題を持つ社会の中で、ハンディっこは生活しています。

その生き方についてあるお母さんは、

障がい者は、最後は施設に行くことになる。限られた世界の中でも、自分で楽しみを見つけられるようになって欲しい。それが日々の潤いになる。心が豊かに生きないと、ただ生きているだけでは…。」

と呟きました。

 

子どもが何かを「やりたい」「楽しみたい」と思う気持ちは、障がいがあっても抱く自然なもの。その子を尊重し、人権を守ることに障がいの有無は関係ありません。心豊かに生きられる環境のため、社会の側の課題を無くしたいという想いを込めて、冊子「well-being」は作られました。

冊数に限りがありますが、ご連絡いただければ配布いたします。(送料はご負担願います)
「読んでみたい」

「お店or施設に置きたい!」

という方は、ぜひ下記の連絡先までご連絡いただくか、プレーワーカーズの神林・遠藤のどちらかにお声がけください。

 

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「well-being 一般社団法人プレーワーカーズ情報誌 特別号」

★お出かけしたときに困ったランキング

★周囲にやってもらって嬉しかったことランキング

★こんなときどう思っているの?(耳をふさぐ、大声を出す)

★障がいと向き合うはじめの一歩(同じ保育園の子どもが障がいを抱えている、障がいを持っている子の親にどう声をかければいいの?)

★お互いの声を聴く(ハンディっこのお母さんたちの声、一般の保護者の声)

 

編集・発行:一般社団法人プレーワーカーズ

デザイン・イラスト・校正:種坂奈保子

協力:ふぁみりあ、気仙沼市マザーズホーム、気仙沼ハンディっこ座談会、気仙沼市内の保護者の方々、

発行日:2017年12月18日


遠藤みゆ

 

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室内の遊び環境づくり 住田町役場にて遊び場 

2017年12月10日に岩手県住田町で行われた、「メリークリスミタ」というイベントで遊び場を開きました。地元のまちづくりに関わる団体が集まって企画し、クリスマスを迎える住田町を盛り上げようと第4回目の開催になるそうです。

 

住田町では、まちや世田米駅で定期的に移動型遊び場プレーカーによる遊び場を開いており、今回はそのつながりから「メリークリスミタ」で遊び場を開くことになりました。

プレーカーで会場に到着すると…
巨大な木造建築に圧倒されました。

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会場は住田町役場の入口を入ってすぐの交流スペースでした。巨大な木の柱は天井には接していない不思議な構造です。大正琴やバンドの音楽がステージで生演奏されるなか、子どもの遊ぶ声がこのホールに響きました。

 

今回は環境づくりを考えさせられた遊び場でした。

●室内の遊び場

外の遊び場であれば水や火、生えている木や地形をつかって遊ぶこともあります。外遊びは、水や空気の温かい冷たい、石や木のザラザラ・つるつる、風のふわふわ、様々な感覚が刺激されて、「あれもやりたい」「これやってみよう」と、連続して遊びが生まれます。

しかし、今回は室内。
野外のように、無限の素材がそこにあるわけでなく、持ち込んだ有限の素材とそこにいる人で遊びが生まれるとするなら…なにを持ち込んでどうやって遊ぼう?といつも以上に悩みました。

でも子どもが「やりたい」と思う事が、その子にとって遊びになるので、その気持ちを刺激する素材を用意しようと思いました。

●持ち込んだものたち
子どもが形を変えられるもの、工作台は幅広い年齢の子どもがじっくり遊びました。

乳幼児「ぺたぺたしたいの~」

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小学校 中~高学年「がっつり作りこみたい!」

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粘土を置いてみると、なにやら精巧な細工に熱中する子が!

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ボードゲームは、知らない子同士が関わるきっかけになるみたいです。

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将棋は初対面のお父さんと子どもが遊ぶ場面も。

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こんな感じで様々な素材を配置していきました。

●自由の空気をつくる“人”
しかし、遊ぶための素材も大事ですが、ピリピリしている雰囲気におもちゃが置いてあっても、のびのび遊べません。
「あそぼ~、まじめにしなくて大丈夫だよ~」
と心を自由にできる空気をつくる“人”が一番重要だと思います。

ということでプレイワーカーは自由の空気をつくるために、自分も遊びます。

今回イチオシの遊びは、麻布で裁縫遊びでした。プラスチックの縫い針を見つけ、いつもは切って使うだけの麻布を縫い合わせてみました。
それを見た女の子の一人が、「やりたい!」と言い、2人で黙々と作り始めました。

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私はビー玉をしまう袋、その子はミニサイズの服を作りました。作っている間、最近はまっていること、学校のこと、友達のこと、いろんな会話をした気がします。その時間は、その子にとってどんな時間になったのでしょう。

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限られた環境だとしても、子どもにとって豊かな環境は考えることができると思いました。

「空き家、空地、ひと部屋…このスペース子どものために使えないかな?」

そんな時は、ぜひプレーワーカーズへご相談ください。

遠藤みゆ

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完成しない遊具づくり

2017年10月16日~10月21日

岩手県野田村にある障がい児デイサービス施設「ピーターズキッズ」での遊具づくりプロジェクト第2弾が行われました。

 

この6日間の工期を持って、完成させるものは!!

 

柱と山のみ。

 

実は、順調に作業が進んだため、4日目にはほぼ完成していました。

しかし、子どもから出た言葉は、

「いつ完成するの?」

「何ができるの??」

でした。

 

今回のブログでは、そもそも何を作ったのか、どんな意図でこんなデザインになったのかについて、書こうと思っています。

そして、次回のブログでは、作業工程中に起きた出来事を元に、「みんなでつくる園庭」というテーマで書いてみたいと思っています。

 

●初回案「ハックの」

複合型のすべり台を作った後の子どもたちの動きの様子や遊び方を見て、当初は「ドーム型のハンモック」や「つり橋」、「車いすでも遊びやすいもの」があると良いなと言われていました。しかし、それをそのまま作ってしまうと遊び方、遊ぶ子どもが固定されてしまうと思いました。

 

そこで、提案したのが、「林」の様な環境です。

決まった形の遊具ではなく、自然環境を生み出したいと考えました。

自然を生み出すなんて、神しかできませんから、人工物らしくない偶然性が必要でした。

「ココは、つり橋ゾーンです。」なんていう意図が伝わらないほうがいい。

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で、考えたのがこの形です。

真上から見ると「ハックの」になっていますね。(NPO法人ハックの家運営の施設のため)

ふざけているようにしか見えませんね。

 でも、柱がたくさんあるだけで、遊びが大きく展開していきます。

今回のプロジェクトを前にそのおもしろさだけでも分かってもらおうと、デモンストレーションをしていました。

 

●ロープ遊具の発展性

写真は、昨年作ったすべり台の柱を利用して遊んだ様子です。

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「ロープが遊び道具になるなんて思いつきもしなかった。」By施設長

 

色々な遊び方ができるのがロープ遊具のおもしろさです。 f:id:playworkers:20171127170113j:plain

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●小屋づくり、基地づくり

夏の長期休みを利用して遊びに行ったときには、廃材を使って、小屋?基地?のようなものを作りました。

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この時は、土台になる部分を僕たちが作り始めましたが、柱となる木がたくさんあって、材料と工具さえあれば、子どもたちが自由に作っていくと思います。

立派な秘密基地ができあがるかもしれませんし、大人の目からは理解できないカタチで終わるかもしれません。

でも、結果何ができるかではなく、子どもたちが自由に作り変えができるというところにおもしろさがあると思っています。

 

●デザインの変更

このように、柱に加え、ロープや廃材など、子どもや職員が自由に使える道具があるだけでも十分におもしろくなると僕らは信じているので、そんな環境だけを一緒に作れたらいいなと思い、提案をしていました。

その後、打ち合わせを進める中で、活発に動き回れる子どもだけではなくて、普段は室内からほとんど出ない子が外に興味を持つ何かはないかというお願いを受けました。

 

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●外に近づく工夫

 

おもしろさを伝える時に

「さぁ!外で遊ぼう!」「コレ、おもしろいよ!」

という言葉のサジェストで乗ってくる子もいますが、

おもしろそうな光景に出会うこともその子の「やってみたい」を引き出すことにつながります。

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室内から望む光景の中に「おもしろそうだな」と思う瞬間があれば、行ってみたくなるものです。

僕らは、そこまでの動線を近づける工夫をしました。

 

●室内からウッドデッキ、そして地面、山へと続く

 今、外で遊ぶには、玄関で靴を履き、ぐるりと回って園庭にでなければなりません。

なので、室内から園庭が見えるとはいえ、ちょっと距離が遠いなと感じます。

「おもしろそう!やってみたい!!」

は、ぐるりの間に落ち着いてしまっているかもしれません。

 そこで、室内から外に直結できるように、ウッドデッキを作ることにしました。

そうすれば、少々歩くのが大変だって、コロコロと外に出やすくなるかもしれない。

そうして、ウッドデッキに出て、外をのんびり眺めていると、元気に走り回れる子どもたちがロープや柱、すべり台などを使って遊んでいます。

今よりその様子が近くで見られるようになったら、「おもしろそうだな。混ざりたいな」と思うのではないか。そんな風に想像しました。

さらに言うと、ウッドデッキは、スロープになっていて、そのまま外に直結していれば、心の動くままに外に飛び出していくこともできると考えました。

 

●築山という名の土の山

ウッドデッキ、スロープを経て、外に出ると、土の山があります。

普通、「築山」というと、しっかりと地固めされ、土管が中に入っていたり、キレイに養生した芝生が植えてあったりするのを想像するかもしれません。

でも、そういうのは、嫌でした。

目指すのは、園庭の起伏。

歩く練習やちょっと高いところに立つ練習。そんなことも、運動機能の発達、改善には必要だったりします。

しかし、急に、幅の狭い平均台を用意されても、怖いし、おもしろくもありません。

だったら、そもそも地面が平らでなかったらいいのでは?

そう考えました。

はじめは、築山のように高い山にしますが、それも、子どもたちが移動させたり、掘ったり、盛ったりする中で、環境が変化していくといいと思っています。

まさに、タイトルの通り完成しない遊具づくりの一例です。

 

 ●完成イメージ

このような提案や打ち合わせを繰り返し、イメージを共有するためにラフ図を作成しました。

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 ●そして、10月の第1工程でできたものは

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遠くから見れば見るほど、いつ完成なんだろう?と不思議に思う光景ですね。

10月の工程では、ひとまずこれで完成です。

きっとこれから遊び込んでいくうちにもっともっと面白くなっていくでしょう。

 

 

 

 

 

 

面瀬地区の動き~認定子ども園整備~

気仙沼市面瀬地区では、当団体事務局長の神林が面瀬のまちづくり協議会アドバイザーを務めています。9月6日には「認定子ども園」をテーマにした、「第2回面瀬まちづくり会議」が行われ、神林・遠藤は、テーブルファシリテーターとして会議に出席しました。

その様子が掲載された「面瀬みらい新聞 第9号」が11月に発行されました。

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記事によると、面瀬地区は0~2歳の低年齢児を預けられる施設の整備は長年の課題であり、祖父母が働いている家庭も多く、受け入れ体制の整備が求められています。近年では共働きによって低年齢児保育のニーズが増加し、希望する保育所に入れずに待機児童が発生している状況にあります。

まちづくり会議では「保育施設だけでなく公園も不足している」など、子どもを育てる環境にも課題があるといった声が聞かれました。

 

また、「鶴巻2区自治会誕生」という記事もあるように、防災集団移転・公営住宅入居によって140世帯もの新しい住民が面瀬に移転しました。プレーワーカーズが支援する「面瀬川ふれあい農園」は、新しい住民とのコミュニティの場として遊び場・農園づくりをしてきました。

 

面瀬地区は大きな変化の時期にあります。この時期に関われていることを好機として、子どもにとってより良い環境づくりをしていきたいと思います。

 

遠藤みゆ

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