アソビのタネ

子どもがいるならどこでも「もっと楽しく」「もっとのびのびと」「もっと安心して」いられる現場づくりでの実践を記していきます。

人に寄り添う人

  • 「地域で育む子どもの居場所の作り方」

日時:2016年8月21日10:00~12:00

場所:すこやか(宮城県気仙沼市東新城)

 

静岡県富士市で子どもの居場所づくりをしているNPO法人ゆめ・まち・ねっとの渡部達也さん(通称たっちゃん)・渡部美樹さん(通称みっきー)を講師にお招きし、宮城県気仙沼市で講演会を開きました。

 

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お二人は夫婦で活動しており、平日の放課後は商店街の一軒を「子どものたまり場おもしろ荘」として開放し、子どもが自由に訪れて、遊んだり勉強したりゆっくり過ごせる居場所づくりをしています。土日は隔週で冒険遊び場たごっこパークを開き、月2回はこども食堂を開いて子どもとゆるやかな時間を過ごします。また、社会的養護が必要な子ども・若者のために、子ども若者シェアハウスをつくり、日々寄り添っています。

 

講演会では、そんな活動の事例から始まると思っていましたが、冒頭スクリーンに映しだされたのは、子どもに関わる統計でした。

 

全国の校内暴力発生件数は、小学校は2005年から、中学校は2006年から10年連続で増加。いじめ・不登校の件数は宮城県は全国ワースト2位。貧困率は全国的にみれば低かった宮城県ですが、統計を見ると震災以降に全国平均を上回ることが分かります。児童相談所には平均1日2~3件の新しい案件がよせられ、東部児童相談所気仙沼支所では相談の3割が虐待に関するものだということです。自殺の件数は年々減っていますが、未成年に関しては減っていません。

 

次に映し出されたのは新聞記事でした。

「中1男子自殺『いじめの遺書』」

「3才の男児 虐待死」

「中3の女子が覚せい剤

記事には孤立して事件にいたる子どもの姿が浮かび上がります。

 

 

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活動の事例はその後に紹介されました。事例の中の子どもたちは、新聞の子どもたちと似たような環境におかれている子どもが何人もいました。普通に周りにいる子どもも、一歩間違えば新聞に載るような結果が待ち受けているかもしれない…そんな危機感を抱きました。

 

「たっちゃん」に出会った子どもたちの環境は、大きくは変わりません。しかし、自分をみてくれる人と出会ったことで確実に変化があるようです。

「ここに出会わなければきっと誰にも感情を表わさず、思いやりのない人間になっていた」

「雨の日も必ず行くよ。だってみんなが待っていてくれるから」

「おれみたいなヤツがいつでもいける場所があるって大事なことなんじゃないかな」

そんな子どもたちの言葉が印象的でした。

 

困った時に助けを求められる人がいる、つらい時に話を聞いてくれる人がいる。目を向け、関わってくれる人がいるだけで、まったく違う結果になるようです。

 

新聞に載るような子どものまわりにも、家族・友人・教師、多くの人が居たはずです。しかし、つらい時に声をあげられなかった。すぐ隣に居るのに、心は離れている。そんな状況だったのかもしれません。

 

「人により添う」

そんな向き合うべきテーマを頂いた講演会でした。

 

遠藤みゆ

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