アソビのタネ

子どもがいるならどこでも「もっと楽しく」「もっとのびのびと」「もっと安心して」いられる現場づくりでの実践を記していきます。

気仙沼市職員向けにプレイワーク研修を行いました

2016年12月19日、気仙沼市役所で子育て支援関係者(保育所・幼稚園・児童館・保育施設・学童保育の職員など)に向けて「子育て支援スキルアップ研修-もう一度子どもの遊びを見つめよう-」を行いました。

この研修は、気仙沼市保健福祉部子ども家庭課が職員研修として企画したもので、プレーワーカーズは開催に協力しました。

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【研修の目的は「遊び」の再確認】

子どもと関わる現場の職員に、どんな内容の研修を望んでいるのか尋ねると「遊びのレパートリーを増やしたい」という声が多いようです。

子どもに関わる施設では、日々忙しい中で遊び方や、イベントの準備、季節ごとの制作など「何をやるか」がスタッフの頭を悩ませているようでした。

しかし、

子どもの遊びはレパートリーを増えればいいのでしょうか?

遊びってスタッフが与えるものでしょうか??
そもそも、子どもに関わる大人の役割ってなんでしょうか?

打ち合わせの中で定めた今回の目的は、

「子どもたちの『遊び』に視点を置き、保育士・児童厚生員等の支援者の役割、地域の中の子育てについて考え、生きる力を育てる子どもの環境について共有する。」
というものになりました。

この研修、なんと10時~16時の丸一日かけてのプログラムでした。
午前は塚本岳さん(名古屋市緑児童館元館長、日本冒険遊び場づくり協会 地域支援員、あいち森のようちえんネットワーク代表)を講師にお招きして講演会、午後は当団体事務局長の神林によるプレイワークの視点を伝えるためのグループワークや実践研修を行いました。

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【午前:塚本岳さん講演「子どもの心の根っこは遊びで育つ」】
塚本さんの講演会では、名古屋市緑児童館での実践を伝えていただきました。

児童館は本来0~18歳を対象としていますが、気仙沼市は小学生の利用がほとんどなのが現状です。塚本さんが館長を務めていた緑児童館では、館内の色をパステルカラーではないビビットなカラーを用いて“小さい子どもの場所”というイメージをなくしたり、楽器が演奏できる部屋を用意したり、中高生も利用しやすい環境づくりをしています。

 

また、公共施設のため使えないコンセントの代わりに発電自転車を子どもと共に開発したり、子ども発案で企画会議を行うなど、子どもの「やりたい」に寄り添う運営をしていました。

子どもは遊びを通じて自ら育つ力を持っている。だから大人は子どもがただただ自由に遊べる環境をつくり、それを阻害する要因から子どもを守るのが役目。
そんなメッセージが込められた講演会でした。

【午後:神林俊一のワークショップ】

研修を受講しているのは、現場で子どもと関わっている職員です。子どもにとって「遊び」が必要不可欠であることは、これまでも学ばれてきたと思います。また、誰しも子ども時代があり、“遊ぶ感覚”は知っているはず。しかし大人になって多忙な日々の中で、その感覚を忘れてしまうことがあります。

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そこで、午後のワークショップでは、子ども時代に経験してきた遊びの記憶を思い出すきっかけとなるワークをグループで行った後、子どもの権利条約を確認しました。

グループワークでは、子ども時代に遊んできた遊びや遊んだ場所を紙に書きだし、そこに大人はどんな関わりをしていたのかを思い出しました。

子ども時代、今思えばかなり危ない遊びをしていたかもしれない。

あれは楽しかったなぁ…!

大人はその場にいなかった。

子どもの時、よく分からないことで楽しんでいた!

 

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ワークを通して、子どもの時の感覚がよみがえった方も多かったようです。
質疑応答の時には、

「ついつい禁止を口にしてしまっていた」

「子どもの遊びに介入しすぎていた。待てるところは待とうと思った」

などの気づきが聞かれました。

施設の中には、子どもにとって良い環境を用意したくとも、予算や土地の余裕がなく制限があるという意見もありました。しかし、職員の意識が子どもに寄り添っていれば、子どもの居場所にはなり得ると思います。

 

今回、気仙沼市の職員研修という大きな場で、“プレイワークの視点”を伝えられた事はとても良かったと思います。子どもの遊びという軸をもって、子どもの日常に寄り添う人々が増えれば、気仙沼の子どもの環境はより良くなっていくはずです。


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