アソビのタネ

子どもがいるならどこでも「もっと楽しく」「もっとのびのびと」「もっと安心して」いられる現場づくりでの実践を記していきます。

情報誌「地域人 第18号」に掲載されました!

昨年11月に「にっぽん子育て応援団」が開催した「地域まるごとケア・プロジェクト人材交流研修会」の様子が、地域創生のための総合情報「地域人 第18号」に掲載されました。

 

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この研修会は、仮設住宅や復興住宅の入居者と周辺住民をつなごうと行われてきた「遊び場づくり」や「お茶会」に着目して、地域の絆の結び直しを考えようと開かれたものでした。当団体事務局長の神林が登壇し、遠藤が参加しました。仙台で活動するプレイワーカーが多く参加する研修会でした。

 

【第1部 3人の話題提供】

1人目は「NPO法人冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク」理事の根本暁生さん。震災後、仙台市を中心に仮設住宅や公園でプレーカーを使った子どもの遊び場を開く活動をしています。遊びの中で子どもらしさを取り戻していった子どものエピソードなどを交えて遊び場の持つ力を紹介しました。

 

2人目は当団体の神林。いじめ・虐待・自殺など厳しい状況にさらされる子どもが居る中、子どもの居場所が地域から失われている現状と子どもの権利についてお話ししました。子どもと遊んであげる若者が、実は子どもから癒されている事例をあげ、遊び場は傷ついた心を癒し、人と繋がる居場所になり得ることをお伝えしました。

 

3人目は、「NPO法人全国コミュニティライフサポートセンター」チーム長の高橋正佳さん。子どもが宿題や食事ができる場所を設けたり、認知症精神疾患・障がいを抱えている方を受け入れ、生活支援や社会参加の支援の活動をしています。「一人ひとりの暮らしから見て、必要な支援を差し伸べる事が大事だと考えている」と仰っていました。

 

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【第2部 白熱ワークショップ】

第2部では、5~6人のグループごとに、地域の課題について意見を交わしました。グループトークはかなり白熱しました。

 

震災後、子どもは遊びの中で子どもらしさを取り戻していったというエピソードを受け、「“子どもらしさ”ってそもそも何?」という疑問に対し、

「定義があるわけでなく、子どもそれぞれだよね。」

「でも、その年齢で空気を読みすぎ!と思う子どもには、子どもらしくしていいのにと思う」

 

 などの声がありました。震災という強いストレスの中で子どもが受けた影響と、何気なく使う言葉を改めて考えさせられました。

 

 

障がいを持っていても、被災していても、普通の生活を送れるようにというお話では、

 

「普通ってなんだろう?」

「普通が一番難しいよね」

「全員がより良い暮らしができるといい」

 

様々な意見が出るなか、神林は「ウェルビーイングを目指しましょう」と発言しました。ウェルビーイングとは、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることと言われています。

 

障がいを持つ方の目指す“普通”、被災した方の目指す“普通”、厳しい環境にいる子どもが目指す“普通”。抱える課題はそれぞれですが、誰もが「生きづらさ」を抱えることのないような状態を目指しているのではないでしょうか。

 

「どうすれば遊びの価値を伝えていけるのか」という議論では、

 

「学業に重きを置く風潮がある。子どもにとって大切なのって最終学歴?学校の後も人生は続くのに」

「遊びの成果を示す団体が少ない」

「遊んで育った子、遊べずに育った子の違いは?」などなど 

 

遊びが子どもにとって重要なことは確信していますが、価値を伝える方法は議論が止まりませんでした。遊びは勉強のように点数をつけるものではなく、将来何かの役に立つものでもありません。でも、子どもの育ちにとって必要不可欠で、“ひまつぶし”や“無駄”とは違うことを主張していく必要があります。

 

ワークショップでは、遊び場関係の方も、遊び場に関わらない方も居て、とても新鮮な議論をすることができました。また、市民活動をしている同士で交流することもでき、とても良い研修会でした。

 

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文責:遠藤みゆ

 

 

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