子どもがつどう遊具 in面瀬川ふれあい農園
2017年11月18日(土)~19日(日)の2日間、面瀬川ふれあい農園で2日間連続の遊び場を開きました。
休耕田を地域の子どものために開放していた面瀬川ふれあい農園ですが、農地には様々な制限があります。しかし、今年の夏に土地の登録を変更し、遊具を設置できるようになりました。今回は連続開催の中で子どもと一緒に遊具をつくりました。
連続開催の前日。木材を運び込み、1カ月間プレーワーカーズにインターンに来ているダン君と一緒に柱を立てました。遠くから柱の傾き具合を見て、ゆがみを直す作業が一番大変でした。数センチ単位で微調整です。
準備しながら天気予報を見ると、土曜日は雨、日曜日は極寒の予報。天候が一番不安な連続開催でした。
【1日目 たくさんの手によって、すべり台完成!】
遊び場が始まる2時間前から準備していると、いつもの電動カートがゴトゴトと鳴りながら地主さんが遊び場に来ました。
「手伝おうか?」
と言って、木材を上にあげたり、ビスを手渡してくれたりしました。
「昔は重い物も持てたのに、身体が動かなくなってしまった」
そう言いながら、子どものために出来ることをしようとする、強い想いのある方です。
仲間と一緒にすべり台をつくることはあっても、自分が主導で作ることは初めての今回。試行錯誤しながら作っていると、今度は地元の宮大工さんが遊び場に来ました。
「おお!すごいもの作っているね、棟梁!でも、これじゃあダメだね、ここが曲がっている。」
本職の大工さんが加わり、どんどんと作業が進みます。直角をはかり間違ったところは、宮大工さんの手によって、ぴっちり修正されました。
そこに、地元の子ども達が来ます。
「うえ!?なにこれ?なにしてるの?」
「なにして遊ぼう?」
「一緒につくってもいいの?」
まずは上に登れるようにしようと、子どもたちはハシゴを作ることにしたようです。
どこまでで完成というものはないのですが、気が付いたら“初すべり”されていました。
この遊び場は常にスタッフが居るわけではないので、台の上に柵を付けます。
「せっかくならカッコイイ柵がいい!」
ということでジクザクにしてみたり、屋根みたいな柵にしたところ、完全にサザエさんのエンディングのような…デジャヴな形になりました。
雨予報だったので、すべり台作りができないのでは、と思っていましたが、結局ほとんど降らずに暖かい日でした。
【2日目 子どもが集う、遊ぶ、ぶつかる】
2日目は天気予報通りの極寒の朝にもかかわらず、朝から子どもが集まり始めました。
中には、両手に木の枝を持ってくる子どもも居ました。
「今日寒いから使うと思って!」
ありがたく熱々野菜スープと焼き芋に使わせてもらいました。
暖をとって、ごはんを作って食べて、遊ぶ。
この日の面瀬川ふれあい農園は、“遊ぶ”だけでなく、“暮らし生きる”場所になっていました。
すべり台づくりのワクワクがひと段落すると、子ども達はゆっくりと遊び始めます。
ボール遊びをしたり、ウクレレを弾いてオリジナルソングを作ったり、のこぎり1本で丸太切りに挑戦したり。
気仙沼市内から集まった子どもたちは、知り合いも初めて会う子も様々。2日目は場所と人に慣れてきて、いろんな表情を見せてくれました。そうした時間にじわじわと見えてくるのが、子ども達の個性でした。
学校では問題児とされているらしい子どもは、話していると空想が混じり始めます。
「あの子の手袋を探しているんだけど知ってる?」と聞くと、
「知ってるよ。こっちだよ。ここにあったんだ。スコップで穴を掘ったら手袋があって、僕が隠したんだけど、さっき鳥がくわえて森の方に飛んで行っちゃったんだ。」
結局、手袋はリュックから見つかりました。
この子の話している表情はごく自然で、普段からこんな話し方なのかもしれません。一緒に来た友達以外とはほとんど遊んでいませんでした。しかし、遊び場では“問題児”だとは思えませんでした。
ある子どもは、何度か年下の子を泣かせてトラブルを起こしていました。
その度に「こいつが悪いんだ!」と言います。原因を聞けば、遊んでいたビニールハウスのドアをこいつが閉めた、おれのリュックを触った、など遊んでいれば起こりそうなことばかりです。相手を突き飛ばし、怪我をさせそうになった理由が、「カードゲームのレアカードに傷がつくとレートが下がるから」というのは本当に驚きました。
本人はカッとなりやすい性格だと言っていましたが、そうなってしまった原因はどこにあるのだろうと思いました。
そんな気になる子どもが居るなか、「気にならない子ども」に寄り添えていたのか、振り返ることは尽きません。
のべ50人ほどが遊びに来た2日間連続開催。
初雪が降る中、子どもは急ぎ足でそれぞれ帰って行きました。
その背中を見送りながら、今後も面瀬川ふれあい農園でプレイワーカーとして現場に立ちたいと思いました。
遠藤みゆ
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