アソビのタネ

子どもがいるならどこでも「もっと楽しく」「もっとのびのびと」「もっと安心して」いられる現場づくりでの実践を記していきます。

市民と気仙沼市でイチからつくる初のイベント「ぷちうみのこフェスタ」

2018年2月18日、宮城県気仙沼市で「ぷちうみのこフェスタ」が開催されました。このイベントは、子どもとその家族のための、いわゆる“子ども子育てフェス”ですが、気仙沼市では大きな意味を持つイベントでした。なぜなら、市民と気仙沼市でイチからつくる初のイベントだったからです。プレーワーカーズが主催した子育て中のお母さんと気仙沼市の担当者が意見を交わす座談会から、この企画は生まれ、昨年の夏から実行委員会を組織して準備を進めてきました。

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【想定外の朝】

イベント当日、前日の夜から暴風雪にみまわれ、想定外の雪かきからスタートしました。風と雪のため、外でやる予定だった「ホヤぼーやトランポリン」は中止に。

日差しはあるけど、とても寒いこの日、どのくらいの人が来てくれるだろう…とそわそわしながら朝のミーティングを迎えました。


スタッフとボランティアを合わせると総勢約100人規模。朝のミーティングでは、スタッフとボランティアが初めて全員集合し、その多さに運営側も圧倒されました。子育て中のお母さんだけでは、人手が足りないとボランティアを募ったところ、多くの協力が得られました。普段のミーティングは15人くらいだったにもかかわらずです。

 

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気仙沼市長とホヤボーヤ、うみのこフェスタ実行員会共同代表の赤畑さんがバルーンを割る音でイベントは幕をあけました。

 

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会場に入ると、大きなバルーンのアーチが出迎えます。冬の気仙沼は静かな海と深い緑の山、まちが全体的にモノトーンになります。カラフルなアーチは見るだけでワクワクしますね!

 

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【あそぶ!】

一番大きな部屋は子どもの遊び場です。

 

ダンボールランドは、みやぎ生協さんにご協力いただき、トラック1台分の段ボールをいただきました。大豪邸ができたり、壊されたり、汽車ができたり、壊されたり、秘密基地ができたり、壊されたり…最終的にはつぶれた段ボールで山をつくり、巨大すべり台に。

 

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ダンボールランドの横にはジュニアリーダーの新聞紙プール、お絵かきコーナー。気仙沼はジュニアリーダーの活動が盛んです。ママサークルの活動の際に協力をお願いすると、子どもの見守りを手伝ってもらえるなど、よく一緒に活動しています。

 

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ジュニアリーダーのコーナーの横には、工作コーナー。材料は家に余っている卵パックやぷちぷち、ストロー、空き箱など。ハサミやペンは児童館のもの。このコーナーを運営してくれたのはボランティアさんでした。

 

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工作コーナーの後ろには、ミニバスコーナー。

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バルーンたかし君のコーナー。

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お二方とも、いろんなイベントでご一緒します。

 

ステージではジュニアリーダーがダンスを踊ったり、手品ショーがあったり、キャタピラレースをしたり、児童館の先生たちによる手遊びがあったり、子育てに関わる団体紹介があり、盛りだくさんの内容でした。

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ほかにも乳幼児がゆったり遊ぶ部屋「くつろぎスペース」や、静かに遊びたい子どものための部屋「コタツらんど」もありました。

 

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【食べる!】

遊んだ後は、おいしいごはん。
気仙沼で活動されている出店者の皆さんが、こだわりのカレーやパン、クッキーなどを販売しました。売り切れ続出の人気コーナー「うみのこ屋台村」でした。

 

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【癒される!】
ママ向けのワンコインで受けられるエステコーナー。
ネイルやマッサージなど、普段はなかなかできないけど、子どもが遊ぶスペースもあり、ゆっくりできたのではないでしょうか。

 

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お父さんの来場も多く、コタツらんどでお昼寝したり、遊ぶ子どもを見ながら、壁際に置いたイスでゆっくりする姿もみられました。

 

【知る!】

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廊下には子どもに関わる団体紹介の模造紙が貼られ、チラシコーナーもありました。気仙沼市にも様々な団体がありますが、知らない方も多いと考え、子ども・子育て支援の情報を発見できる機会になればと用意されました。

 

団体だけでなく、気仙沼の遊び場情報も共有しようと、「遊び場マップ」も設置されました。来場者が書き込むことができる、参加型の情報コーナーでした。

ところが、

「いつもは家で遊んでいる。遊び場が近くにあったら行きたいけど」

「あまり遊び場を知らない。むしろ教えて欲しい!」

という声が聞かれ、書き込んでくださる方が多くはなかったようです。

 

また、身体障碍をサポートする福祉用具の展示や、障がい児を支援する団体の紹介などもありました。わが子の障がいを疑っても、助けになる情報や団体に繋がるのは簡単ではありません。

「誰に相談したらいいの?」

「この先どうなるの?」

「怖くて相談できない」

と不安ばかりがつのります。

今回のような誰もが参加できるイベントの中に情報があることで、気軽に知ることができ、障がいへの理解も広がると思います。障がいでなくても、使うと便利な福祉用具もあり、手に取る方も多くいました。

 

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【初めての試みを終えて】

気仙沼市と市民がつくる初のイベントでしたが、約600人もの予想をはるかに上回る来場者に圧倒されるばかりでした。インフルエンザが大流行しているさなか、これほど来場するとは思わなかったものの、初めて出会う親子が多かったことが嬉しかったです。

 

私達は外遊びのイベントを開催することが多いですが、今回のように室内で開かれるイベントのほうが安心して来られる親子も居るのだと思います。

 

このイベントを作り上げたお母さん達にも圧倒されました。会議は子どもが幼稚園や学校に行っている間。準備作業は子どもを連れて。その力がなければ実現しなかったイベントだったと思います。プレーワーカーズは、遊び場やチラシの作成、会議の進行、様々な調整のみお手伝いしましたが、ここまでグイグイ進めたお母さん達に感服です。また、子どもの面倒をみてお母さん達をサポートしたお父さんやおじいちゃんおばあちゃんの存在もなくてはなりませんでした。

そうして準備を進めたお母さん達は、プレーワーカーズが間に入らずとも、行政機関とやり取りも進めるようになっていきました。イベントの成功もさることながら、この「ぷち うみのこフェスタ」で一番の財産は、行政の関係機関とお母さん達が“顔の見える関係”になったことだと思います。

 

遠藤みゆ

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