アソビのタネ

子どもがいるならどこでも「もっと楽しく」「もっとのびのびと」「もっと安心して」いられる現場づくりでの実践を記していきます。

良い遊具をありがとうございます。本当にお願いして良かったです。

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2020年4月7日

 

2015年11月から打ち合わせを始め、

園庭づくりのプロジェクトを一緒に進めてきた

放課後等デイサービス施設「ピーターズ・キッズ」の施設長、

城内さんから久しぶりにメッセージや写真が届きました。

 

 

子どもたちも大きくなりました。

定員も増やして毎日20名以上来ています。

外遊びが充実しているので密集した感じがありません。

思いきり遊べる事業所と認識されてきた様で保護者の見学も増えました。

子どもたちは、自分で考えながら遊ぶようになっていて嬉しいです。

説明を受けていたことが実感できます。

良い遊具をありがとうございます。本当にお願いして良かったです。

(筆者加筆修正)

 

つまり、

①子どもがより良く遊べるようになって

②保護者にとっても子どもが元気よく遊べるいい施設になって

③施設利用者が増え

④運営法人の経営状態も良くなった

ということです。

 

とてもうれしかったので、ブログを書こうと思います。

 

 

城内さんに出会った頃、最初に言われたのは、

「アスレチックとかも作れますか?」の一言でした。

僕は、「できます!」「まずは、現場を見て話しましょう。」と返答し、プロジェクトが始まりました。

 

でも、今思い返すと、僕らは、アスレチックを作っていません。

 

今、ピーターズ・キッズにはこんな素晴らしい遊具?アスレチック?がありますが、

半分以上は、ピーターズ・キッズのスタッフの方が作り上げたものです。

 

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では、僕ら、プレーワーカーズは、いったい何を作り、何を提供できたのでしょうか?

 

【実際に作ったものをもう一度振り返る】

●子ども専用倉庫付き複合すべり台

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この遊具の特徴は、斜面がとっても急で、幅がとっても広いすべり台です。

駆け上がったり、恐る恐る滑り降りたり、

だけど、慣れてくると、鬼ごっこをしながら駆け下りたり、

 

この施設、元々は、保育所だったので、一般的な遊具がありました。

子どもたちの遊びを観察する中で、「高いところ」、「関わり合って遊べるもの」があるといいなと感じ、デザインしていきました。

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最初の案を見てみると、屋根の上に子どもが乗っていますね。

打ち合わせや設計をする中で、これはやめておこう。ということで登れない仕組みにしてありますが、アイデア段階ではこのくらい自由度高く考えていました。

一階部分も、設計段階では、隠れられる基地にする予定でしたが、作業工程の中で、大幅に変更し、それもやめました。

代わりに急遽ハンモックを作ったりもしました。

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これが、第一弾で制作した遊具です。

 

 

●林

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次に作ったのが、「林」です。

これの説明が一番難しいのですが、僕らの意図としては、「自然」をこの中に作りたい。がために、

 

ただ、間伐材を埋めていく。

 

という、斬新なアイデアに行きつきました。

プレーパークの活動では、木がたくさんあるところでの活動をする時に、

ロープを使って、モンキーブリッジ、ターザンロープ、滑車ロープ、ハンモック、ブランコなどなど、その場で工夫して作ったりします。

 

その楽しさを再現したいなと思った時に、

「ブランコ」を作ってあげるのではなく、

ブランコも作れる「木」を作ってみよう!

ということにしました。

 

その「木」があって、「ロープ」と「アイデア」と「遊び心」さえあれば、技術はさほど難しいことではありません。

 

そのアイデアの一部として、最初には、「ブランコ」と「ハンモック」だけ作りました。

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●ハンモック

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ちなみに、このハンモックは、保護者や地域の方と一緒に編みました。

●築山

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続いて、築山も作りました。

 

と言っても、どう見ても工事現場の土盛りです。

トラックで土を運び入れて、盛っただけ。

芝も植えないし、丸太でキレイな加工もしません。

 

なぜなら、形が変わってもいいからです。

園庭全部が「砂場」になったっていいな。と思っていたので、

そのきっかけにでもなればいいと考えました。

 

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実際は、後日このようなトンネルが埋められ、形が変わることになります。

 

●ウッドデッキ

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最後に作ったのがウッドデッキです。

外にたくさんの遊具を作ったら、子どもたちが外で遊ぶようになりました。

でも、外で遊ぶには、玄関を回って、靴を履き替えないといけません。

そして、ここは障害をもった子が通う施設です。

健常児と見分けがつかない程ほど、元気よく走り回る子がいる一方で、

脚が不自由だったり、ほとんど歩けない子もいます。

そんな子たちも、ちょっと外の空気を吸えたり、みんなが遊ぶ様子を眺められたりできるように、スロープ付きのウッドデッキを作りました。

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僕らが実際に作ったものは、これで全部です。

 

【その前後を振り返る】

実際に作った「もの」はこれで全部ですが、

実際に行った「こと」は他にもたくさんあります。

 

●プレーカーによる遊び場の出前(子どもの様子を観察)

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2016年1月。

初回打ち合わせを受けて、まずは、実際にこの施設に通う子どもたちの年齢、遊ぶ様子、特徴などなどを観察してから、作るものを考えようと、まずは、プレーカーによる遊び場の出前を行いました。

 

一般的に遊具の提案は、大人の要望を聞いて、それに合った製品を販売するという流れになります。

しかし、僕らは、子どもの遊びを観察し、子どもにとって、一番良い環境は何かを考えました。

当然、決まった正解はないので、施設長や理事長の話、スタッフの方々の話も聞きながらよく観察して考えるのですが、

 

子どもにとって一番良い環境が、大人が考えていることと同じとは限りません。

この時に、子どもたちの様子を観察して、僕らが提案した園庭づくりのプランは、「アスレチック」ではありませんでした。

 

●園庭全体のプラン作成(将来像のイメージ共有)

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ひとつの遊具を作って終わりではなく、園庭全部を子どもが遊ぶ空間にしていくため、

将来像のイメージ共有をしました。

 

しかし、このイメージも目指すべき完成形というよりは、どんどん変更可能な、

「現時点」でのゴールです。という話をしていました。

 

●プレイワーカーの出張(補修・点検・遊び方の提案)

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実際に、遊具を作った後は、

どんな意図でこれを作ったのか、

どうやって工夫していけばいいのか、

現時点での問題点、改善案など常に話していました。

毎日の点検の仕方や、メンテナンスの方法なども伝えています。

 

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それと同時に、子どもたちと一緒に過ごしたり、子どもたちと一緒に遊びながら

こう遊んだら、面白いよ。とか

こんな遊び方もあるよ。とか

なるべく多くのアイデアを「提示」できるように、努めました。

 

●プレイワーカーの出張(相談・アドバイス・研修)

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一緒にハンモックを編んだ、保護者の方々向けに、「市民活動としての遊び場づくり」&「遊び場でのリスク管理」の研修をしているところです。

 

まだ実現できていませんが、石巻で遊び場づくりをしている方との交流会もできたらいいねと話していました。

 

 

【実際に遊んでいる様子】

これらの活動を経て、実際にどんな風に遊んでいるのか

遊具や園庭がどんな風に変わったのか

お見せしたいと思います。

 

 

●ウォータースライダー

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●林部分の改造

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●高いところで遊ぶ

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●ウッドデッキ

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これでも、まだまだ一部です。

実際に「場」を見てほしい。そう思います。

 

近いうちに見学ツアーでも企画しようかな。

 

着想:2015年11月

着工:2016年9月

工事終了:2018年1月

 

ゆっくりゆっくり

しかし、とてつもなく大幅に、

園庭が育っています。

 

 

園庭の環境が変わると子どもたちの遊びが変わります

子どもたちの環境が変わると大人の意識が変わります

大人の意識が変わると子どもの過ごす環境が変わります

 

そんな育ちあいの循環を目指して、「遊び空間デザイン事業」と名付けました。

実際のところは、主に遊具づくりワークショップの委託という形で行っています。

 

 

【プレーワーカーズが提供できること】

僕ら、プレーワーカーズが提供できることは、いったい何でしょうか?

ご覧いただいたように、僕は、アスレチックを作りませんでした。

 

おそらく、僕が提供できたのは、

「遊びのキッカケ」と「遊び空間づくりの面白さ(プレイワークの視点)」

ではないかなと思っています。

 

 

これは、遊び場づくりの専門家(プレイワーカー)の集まりだからこそできる仕事だと思っています。

 

こんな園庭と育ちあうプロジェクトに興味がある方は

ぜひ、一度お問い合わせください。

 

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