アソビのタネ

子どもがいるならどこでも「もっと楽しく」「もっとのびのびと」「もっと安心して」いられる現場づくりでの実践を記していきます。

DAY2・「遊ぶ」について~新型コロナにより行き場を失った子どもたちの日常を支えてきました~

こんにちは、プレーワーカーズ事務局の廣川和紀です。

 

2020年3月2日から、学校が休校になり、緊急事態宣言の発令に伴い、外出や人と会うことが制限されていきました。

 

多くの子どもたちは、家の中で、過ごしていたと思います。

 

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突如、このような状態になり、まず、私が心配したことは、家の中で大人と過ごすことが多くなり、遊ぶこと自体が制限されてしまうのではないか。

ということでした。

 

その心配事の説明をする前に、まず、親の状況から見てみましょう。

2月末から3月に関しては、風邪のような症状がある場合を除いて、ほとんどの人が仕事を継続していたと思います。ただ、満員電車など不特定多数の人が密集するところは避け、テレワークなどが推奨されました。

オンラインツールも一気に普及し、できるだけ自宅で勤務する体制を整える方向にシフトしていったように思います。

 

親が働き続けている場合、社会の一般的な困りごとは、「子どもの預け先」です。

小学校や中学校は、預け先ではありませんが、実質的に、「学校に行っている間は、仕事ができる」と考えている方も多いと思います。

元々、働く親のための施設である厚生労働省管轄の保育所や放課後児童クラブ(学童保育)は、休業要請の対象にはなりませんでしたが、感染拡大予防の観点から、極力自宅で見てほしいという対応でした。

 

その結果、仕事は休みにならないが、子どもを預ける先がなく、

”保育”と”仕事”の両方をこなさなければいけないという状況になりました。

 

※ちなみに、育児ではなく、保育と書いたのは、かつて家庭や地域で担っていた「養護」と「教育」を公的サービスで代替していたが、コロナによって、その公的サービスの代替機能として、家庭に戻ってきてしまったという流れを表したかったからです。また、それは、乳幼児期のことだけでなく、今は小学生であっても、昼食やおやつの準備、宿題の面倒など、「養護」と「教育」が必要だと考えられているからです。

 

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日々、テレビから流れる報道を見ていれば、大人さえもこの先どうなるのだろう?会社は?仕事は?と不安に感じ、慣れないテレワークなど、変化も大きく、対応に追われている中、我が子の「養護」と「教育」の責任も一手に引き受けなければいけない状況は、本当に困惑します。

また、実際に、オンライン会議や自宅での資料づくりをしているときに、子どもが近くにいて、話しかけてきたりする状況、あるいは、本当は、良くないと分かりつつも、静かにしていてもらうために、YouTubeやゲームなどを与えて、電子音が鳴り響く状況の中では、「仕事」にも「保育」にも集中ができません。

 

SNS上では、楽しそうに「STAY HOME」を発信している姿も見られましたが、共働き、核家族の苦悩は、想像に難くありません。

 

「も―うるさい!」「ちょっと黙ってて!!」

「そのくらいのこと、自分でやってよ!!」

 

そう言いたくなる気持ちも分かります。

しかし、ここからは、子どもの状況についても見てみましょう。

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 こんな風に扇風機があったら、とりあえず「あーーー!」って言いたくなりますよね。

誰しもが一度はやったことがあるのではないでしょうか?

 

概ね、子どもの状況というのは、こういうことです。

詳しく書いていきますね。

 

私たちが運営する子どもの居場所〇〇(まるまる)に来ている子が、こんなことを言いました。

 

「私たちだって、休みたくて休んでるんじゃないのにー」

 

この言葉を聞いて、改めて、本当にその通りだなと感じました。

私たち大人は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、「三密」になることのリスクなどを考慮しながら、営業の自粛や外出・出勤の自粛など、自分の意思で判断することができます。

あるいは、政府や会社の指示に従うにしても、その理由について説明を受け、納得がいかなければ、反対の意思表明をすることもできます。

 

しかし、子どもたちの状況はそうではありません。

いつのまにか、誰かが決めた、突然のルールによって、学校に行けなくなり、児童館に行けなくなり、公園の遊具が使えなくなり、家にいるしかできなくなりました。

保育園に行くかどうかも親の都合です。

この事実への感じ方は、様々でしょう。

 

実際に、〇〇に来ている子どもたちに、「休校の延長が決まったけど、どう?」と聞いてみると、

「えーー!やだー、学校に行きたいよ」という子もいれば、

「べつに。元々、友だちとかもいないし、このままでも」という子もいました。

 

学校に行きたいのに、行くことが許されず、逆に一斉に学校が始まれば、学校に行きたくないのに、行かなければいけない。という状況が生まれます。

これは、コロナのことが広がる前からそうです。

子どもたちは、自分で決めるという選択肢を持たせてもらっていません。

 

 

それなのに、家の中でも「うるさい!」と言われてしまうと八方塞がりです。

子どもたちの行き場がなくなってしまいます。

 

 だから、子どもが子どもの意思で来ることができる居場所が必要だと考えています。

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このブログのタイトルを「遊び」ではなく、「遊ぶ」という動詞にしているのは、遊びの主体は、子どもにある。ということを改めて伝えたいからです。

 

そもそも、遊びというのは、子どもの中から沸き起こってくるものであり、その行為の結果のことだけを指すのではなく、過程も含めてのことを言います。

 

先ほど、示した写真のように、扇風機があったら、「あーー!」って言いたくなるように、子どもの中にある”やってみたい”というアソビゴコロは、24時間、いつでもどこでも存在します。

 

もちろん、家の中でも、大人がいても、子どもたちの遊びが保障されていれば、問題ないかもしれません。

やりたいことができ、やりたくないことはやらないという自由が担保されていれば、それでいいでしょう。

 

しかし、子どもの”やってみたい!”という遊びのパワーは、自身の成長に直結する栄養素のようなものなので、成長すればするほど、家の中、家族の中という「枠」の中では収めることができないでしょう。

 

家の中で子どもが遊ぶとうるさくて、片付けもせずに、汚いのは、必然です。

同じ空間にいると、どうしても、「うるさい!」と叫び、「片づけなさい」と指導してしまいたくもなります。

しかし、それでは、子どもの心を殺すことになります。

 

その解決策は、このどちらかだと思います。

・大人が子どもに合わせるか

・子どもを外に出すか

 

大人が子どもに合わせる例としては、家の中での親子遊びや、親子料理など、一緒に楽しむ方法などがあると思います。

しかし、親が子どもの興味に合わせて、ずっと付き合うことは、実際問題、現実的ではありません。(何時間もお人形遊びや戦いごっこに付き合えますか?)

また、大人にとっても楽しいことをしようと提案すれば、それは、子どもの中から沸き起こる遊びではなく、大人が提供する「活動」になってしまいます。

活動の主体は、大人の方にあるので、例えば、「シャボン玉づくりをしようよ」と提案した場合、準備や片付けなど、大人が進めていかなければいけません。

子どもから沸き起こるアソビゴコロを待てなかっただけでなく、「保育」と両立してやるべき「仕事」に取り掛かる時間が無くなってしまいます。

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あとはもう、子どもを外に出すほかありません。

子ども同士で過ごすしかありません。

 

その場を保障するのが、遊び場です。

本当は、海が、山が、川が、田んぼが、路地が、空き地が、公園が、すべて子どもの遊び場であるべきだと思いますが、

 

新型コロナの前から、いえ、東日本大震災の前から、

自然の場所、外の空間は、子どもの遊び場ではありませんでした。

 

つまり、子どもたちは、ずっとずっと、「遊ぶ」ことを保障されずに、

子どもらしく生き生きと生きることを許されずに日常を過ごしていることになります。

 

 

どんな状況であっても、

食べる、寝る、遊ぶの環境だけは、大人が保障してあげないといけないと思います。

子どもの居場所〇〇は、名取市下増田小学区、増田小学区の子どもの遊びを保障するために、3月2日から、毎日開放していました。

 

 

関連動画

休校に!?こんなときだから、遊ぶを考えます。

youtu.be

 

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