アソビのタネ

子どもがいるならどこでも「もっと楽しく」「もっとのびのびと」「もっと安心して」いられる現場づくりでの実践を記していきます。

DAY6・自分の責任で自由に遊ぶ~新型コロナによって行き場を失った子どもたちの日常を支えてきました~

こんにちは、プレーワーカーズ事務局の廣川和紀です。

 

ひと昔かふた昔前の話から書こうと思います。

私は、都立高校に入学したのですが、そこを受験した最大の理由は、「自由」でした。

茶髪にする若者が一般化し始めたころだったと思います。世間的にはもう、色が違うだけで叩かれることはなかったように思いますが、ほとんどの学校では、染髪することは禁止だったはずです。しかし、私が通った高校は、校則がありませんでした。「高校生にもなれば、もう自分で判断ができる。」ということだったのだろうと思います。

管理責任が問われる時代なので、高校生をまだ”子ども”と見れば、はみ出した行動や失敗などは、親や先生(学校)が負わされることも多く、その責任を回避するためには、子どもの行動を制限することが手っ取り早い中で、自己判断の機会を返してくれたことに感謝しています。

今振り返って考えてみると、子どもと大人の境目というべきか、まだまだ、自分自身の価値基準と一般常識、世間の空気、TPOなど、模索している時期だったようにも思います。ただ、そこに、自由があったからこそ、やってみて、失敗して、怒られて、それでも曲げない信念も生まれ、「私は私だ。」という感覚を身につけることができました。

 

そんな高校生時代、イラクに入国した日本人が誘拐され、人質として拘束されるという事件が起こりました。(イラク日本人人質事件

テレビから流れる政府の対応や世間の空気感が、「自己責任」に流れていったことが、とても記憶に残っています。

当時、様々な議論が飛び交っていたと思いますが、イラクに行った「理由」もひとつの焦点になっていたと記憶しています。

 

しかし、総じて思うのは、「自己責任=誰も助けてくれない」という恐怖の印象でした。

自分の命は自分自身で守らなければいけない。

自分の価値基準を見つける時期に、”テレビ”が教えてくれたことは、それでした。

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子どもの遊び場についての話に戻していきましょう。

 

私たちが遊び場づくりをする際に大切にしていることがいくつかありますが、その中のひとつに、

「遊び方や過ごし方を子どもが決めることができる」

というものがあります。

 

特別なプログラムなどは用意せず、それぞれがやりたいときに、やりたいことを、やりたいようにやる。

そういう自由な遊び場を目指しています。

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子どもたちが自分で考えて、自分で決めて、遊ぶので、

大人から見て、ヒヤヒヤするようなこともあります。

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大人には、理解しがたいことも起こります。(それが面白いのですが。)

 

このような、自由な遊び場(プレーパークや冒険遊び場)を運営していると、多くの方から質問を受けます。

 

「ケガの責任はどうしているのですか?」

 

公園での ケガや事故の場合は、公園管理者や、行政の責任が問われることになります。

イベントの場合には、イベントの主催者です。

保険をかけることによって、賠償責任などの負担は軽減させることはできますが、人の命の責任を負いきることはできません。

 

それは、子どもの遊び場に限らず、どの業界においても同じなので、

「注意書き」によって、責任を回避するようにしています。

公園の場合は、「禁止看板」によって、イベント等の場合は、「自己責任」という言葉で、責任の所在が組織に帰属しないようにしています。

 

すると、全責任が、親や保護者に移ってしまいます。

 

そして、これも、遊び場を開いているとよく聞くことですが、

危険そうに見えることや服が汚れたりすることなどは、

「お父さん(お母さん)に怒られるからやらせることができない」という理由で、

子どもの行動(やってみたいこと)が制限させられてしまいます。

 

お父さん、お母さん(おじいちゃんやおばあちゃんも)であっても、子どもを自由に遊ばせることの責任を家族内で取らされることが怖く、自由にさせてあげられないのです。

 

結果的に、一番しわ寄せが行きやすいのが、子どもです。

そうやって、何の自由も与えられなければ、子どもは意欲を失います。

 

「最近の子どもは遊ばない」のではなく、遊ぶことができる自由な環境を奪われているのだと思います。

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名取市下増田で開放している〇〇(まるまる)の入り口には、

 

「自分の責任で自由に遊ぶ」というモットー(合言葉、キーワード、共通認識)を載せた看板を掲げています。

 

自分の責任で自由に遊ぶとは、自己責任と勘違いされやすいですが、

子どもや親に責任を押し付ける言葉でも、大人の責任回避の言葉でもありません。

以下の2つのことを意識した決意と宣言だと理解しています。

 

①【自由のための責任を返してもらう】

公園管理の責任を行政だけに押し付けないで、市民もその責任を負うことで、利用方法の制限をできる限りかけないようにしていこうという住民の決意と宣言

②【自由のために責任を返してあげる】

子どもにも自由に、自分の意思で選択、決定する権利があり、それを実行するだけの能力、判断力も持ち合わせているということを大人が信じるという決意と宣言

 

「責任」という言葉は、とても重く捉えられがちですが、

本来、自分で負いたいもののはずです。

他人から問われるものではありません。

 

先に書いたイラク日本人人質事件でも、もしかしたら、誘拐された当人にも、軽率だった部分や、失敗だったところがあったのかもしれません。もし、そのようなことがあったとしても、それを振り返り、反省し、次への糧にするか、あるいはもう二度としないか決めるのは、当人にしかできないはずです。

周りにいる人ができることは、「助ける」ことだけでしょう。結果論に対して口を出すようなことではありません。私は、国=国民がそれを許さなかったことが残念でした。

 

ケガも同じように、小さなものは、子どもが子ども自身で、

「あー失敗した!」と気づきます。

そこで、失敗を責め立てるわけでもなく、なぜ、失敗したのかを問いただすわけでもなく、

私の責任になるからと、ケガをする前に、行動を制限して経験を奪うわけでもなく、

応急処置をしたり、心のケアをしたり、ケガの原因(環境因子)を確認したりすることで、子ども自身が責任を負う過程を助けてあげることが、大人のするべきことです。

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子どもの居場所〇〇は、全国一斉休校が始まった3月2日から、毎日開放することにしましたが、

開催にあたっては、LINEのアプリを使用して、保護者に開催時間と共に、開催への想いや考え方を共有していました。

 

今回、日本の場合は、イベント開催、外出などほとんどの面において、政府から要請されたのは、自粛です。

感染拡大の状況に伴って、自分で判断してほしいということでした。

各家庭、個人によっても感じ方や考え方が様々な中、公的な施設はほぼ全て休館になり、公園の遊具も使用禁止になりました。

 

前のブログでも書いたように、それでも、子どもは遊びます。

 

開放することが、正しい選択だったかどうかは分かりません。

結果的に、この期間中には、感染者も出ず、特別な問題は起こりませんでしたが、

その時期、その土地の感染状況や、その施設のキャパシティなどの条件によって、できることが変わるのが当然だと思っています。

 

一律の規制や同調圧力のもとに生まれるのは、分断ですが、

自律した考えをもとにした自由から生まれるのは、助け合いです。

 

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