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アソビのタネ

子どもがいるならどこでも「もっと楽しく」「もっとのびのびと」「もっと安心して」いられる現場づくりでの実践を記していきます。

遊ぶ場所がないから、自分たちでつくりたい

活動のキヲク
プレーワーカーズでは『子どものための石巻市民会議』と協働し、石巻市にある水明町で、同地域にある住吉中学の1年生5人と共に、遊び場づくりをはじめています。

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今年の夏休みに、水明町河川敷で冒険遊び場連続開催を目標に、3月から話し合いや清掃活動、現地視察を重ねてきました。夏休みの遊び場連続開催を通じ、地域の大人も共に楽しみながらつくっていく遊び場にしていきたいと思い活動しています。



【発端】
活動のきっかけは、昨年度、石巻市立開北小学校の6年生を対象に行われたワークショップ「子どもゆめプラン」において、子どもたちからの「遊ぶ場所がないから、自分たちでつくりたい」という提案でした。提案は「風と川ウォーターランド事業」としてまとめられ、石巻市長へこどもたちから手渡されたことが新聞に掲載されました。
その新聞を見た『子どものための石巻市民会議』が、開北小学校へ連絡。子どもたちに直接「ゆめプランを実現」させたい気持ちがあるかどうか確認する機会を1月と2月に、学校と連携をとりながら持ちました。
その結果、「自分たちでつくっていきたい」との意思を持つ、開北小学校6年生(現在、住吉中1年生)5人が集結し、プラン実現へ向け活動を開始しました。


【アイデア

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有志となった5人の子どもたちが中心となり、プレーワーカーズと『子どものための石巻市民会議』がサポートしながらこれまで5回、遊び場づくりのための話し合いや水明町河川敷の現地視察を行ってきました。
子どもたちから、「花や木を植えたい」「川で遊びたい」「ウォータースライダーをつくりたい」「焚火炊事場がつくりたい」「図書コーナーがほしい」などさまざまなアイデアが出ました。
また、「子どもだけではなく、乳幼児でも高齢者でも障害者でも誰でもゆったり楽しく過ごせる場所にしたい」という意見もあがりました。


【なぜ清掃活動なのか】

4月23日には、現地で「きれいにしよう!遊んでみよう!」を企画しました。子どもたちから、「掃除してきれいにしたい、釣りもしたい」と言ってきたからです。

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朝10時から3時まで、スコップや桑で、河川敷広場のコンクリートに積もった土や雑草を取り除き、ゴミ拾いをする清掃活動を行いました。そのときに、なぜ子どもたちがこの場所を「きれいにしたい」と言い出したのかについて、考えさせられる場面がありました。

当日の朝、わたしたちが到着すると、すでに子どもたちは軍手をはめ、雑草を抜きはじめていて、少し驚きました。子どもって掃除はあまり好きではないのでは、と思っていたからです。どうしてこんなに一生懸命なんだろうと不思議に感じました。
お昼近くになったときに、子どもの一人がふと、「この広場の土は、震災のとき津波で積もったんだよ」と教えてくれました。この河川敷の広場は震災の前までは、花火大会も催される場所だったと聞いています。
この話を聞いただけで、なぜ子どもがこの場所を「きれいにしたい」のか理解できたことにはなりません。けれども、子どもたちはここでただ単純に、「きれいにして遊びたい」と思っているだけではないことは伝わってきました。


【本気の釣り】
とは言っても、この日は掃除だけを黙々としていたわけではありません。子どもたちは竿を持参して来てもいました。
竿にほどこした仕掛けは”ハゼ釣り用”、餌は掃除中に見つけたミミズで、川底が石だらけにもかかわらず果敢にフィッシングもしました。案の上、根がかりのオンパレードでした。
しかし、子どもたちは釣る気満々だったのでフラストレーション爆発。結果、子どもたちいわく、「ちゃんと釣れらしいいい場所」に移ろうということになり、様子を見に来ていた子どものお父さんも合流し、3時以降は河川敷から移動することになりました。


【親の気持ちと子どもの気持ち】
移動した先は、自転車で10分ほどのところにある住吉町の旧北上川でした。簡単に乗り越えられる堤防の先が絶好の釣りポイント。近くの餌屋で300円のイソメを購入。
子どもたちは触りなれないイソメにキャーキャー叫びながらも、餌屋のおじさんに助けられながらなんとか釣りを開始しました。

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驚くほど釣れていました。ハゼの仲間の魚だそうです。入れ食い状態で、20匹以上がキャッチ&リリースされていました。
子どもたちの楽しそうな姿をみて、一緒にきていた子どものお父さんが
「釣に連れてこられたのも震災があってからはじめてだった。海が近くにあってもなかなか行く気が起きなかった。子供たちにも可哀想な思いをさせてきてしまった。震災後は、網地島へは家族で行ったことがあった。あそこなら日常を感じなくて済むからな。地元の海では堤防を見てしまうと泳ぐ気にはなれないんだ」と教えてくれました。

夕方をむかえ、子どもたちも時間となり、ひとり、またひとりと帰っていきました。けれど、最後に残った子がお父さんに「はやく帰るぞ」と急かされても、なかなか釣りを終わらせられず「もっと遊びたい」と訴えていました。
それに対しお父さんが「時間は守らなきゃいけない、遊びたい遊びたいっておまえなあ、、、」と注意しました。すると、お父さんに子どもが「わたしにとっては重要なことなんだよ」と言い捨てながら、竿を片付け始めました。


親には親の気持ちがあり、子どもにも子どもの気持ちがある。
ぼんやりとわかったつもりになってはいても、それは一体どういうことなのだろうと、何度も考えさせられてしまいます。
そして、5年前の震災で大きな被害にあったこの地域で、子どもの遊び場をつくることの必要性、つくっていく過程のなかで生まれてくる出来事ひとつひとつの尊さを感じます。

水明町での遊び場づくりが、ひとりでも多くの人の心に楽しい気持ちをもたらすことができるよう、活動を続けていきたいと思います。