アソビのタネ

子どもがいるならどこでも「もっと楽しく」「もっとのびのびと」「もっと安心して」いられる現場づくりでの実践を記していきます。

プレーワーカー養成講座の報告

2023年9月~「外遊びを通じて子どもと関わるプレーワーカー養成講座」と題した5回連続講座を開催し、その内の2日を公開講座としてたくさんの方に聞いてもらう機会としました。

 

5日間連続の養成講座に参加した方は12名。公開講座参加者はのべ63人でした。

常設プレーパークでプレーワーカーをしている人、児童館で働いている人、森のようちえん、公園管理の仕事をしている人、オルタナティブスクール親の会、子ども向けプログラムを実施している人、プレーパークを地域に立ち上げたい人・立ち上げた人などなど、今回も様々な方が受講してくれました。

 

今回のプログラムを構築するにあたって考えたことは、

  • こちらから伝えたいことは、忖度なく伝える。どう受け取るか、どう生かすはその人次第。
  • プレーワーカーとしてプレーパークに立つ、というのは社会に立ち向かうことでもあるから“スピリット”が一番大事。
  • その上で、プレーワーカーとしてのスキルや子どもへの向き合い方、環境設定の方法など、普段考えて実践していることを言語化して表現する。
  • 養成講座受講者同士でたくさん話す機会を作り、学び合う環境を作る。
  • 実習はプレーパークを体験する日と、受講者同士で考えて実践する日の両方を設ける。
  • 実習後のふりかえりは、それぞれの考えを深めるための時間にするために、その方法を紹介し、実際にやってみる。
  • 養成講座受講者の横のつながり、その後の交流につながるような仕組みも考える。

などです。

 

これを実現させるために、5日間のプログラムを考え、座学・実習・グループディスカッションなどを織り交ぜながら実施しました。

最終日のふりかえりでは、

「自分自身も子どもの環境の一部だということを忘れずに行動したい」

「講座受講者でも人によって感じるところはそれぞれ違って、色々な意見が聞けて良かった。」

などなどたくさんの感想もいただきました。

改めて、実施して良かったなぁと思います。

 

地域でプレーパークの活動を始めた、始めたい!という方もいたので、これからも応援していきたいと思いますし、私たちが関わっている遊び場活動も広がっていくにつれてプレーワーカーがもっと必要になってくると思うので、子どもの育ち、外遊びを支える仲間としてお互いに連携しながら、子どもが遊ぶ環境をより良くしていきたいですね。

 

どんな様子だったのかは、この後に写真と共にご報告したいと思います。

 

<座学>                                                                                                            

大テーマを「子どもが遊ぶ場に大人がいる意味」、「子どもが遊ぶ場でプレーワーカーが考えていること」に分けて、同じ内容を2回ずつ実施しました。

代表の須永力(ぶんちゃ):自身が遊び過ごした昭和の子どものエピソードや世田谷のプレーパークでプレーリーダーをしていた時のエピソードなどを交えながら、プレーワーカーとして欠かせない”姿勢”の話が印象的でした。

 

事務局長の廣川和紀(かずき):育ちは平成の東京。どのように社会が変化していったのか、プレーワーカーに必要なスキルは何なのか、なんとなく感じていることや現場で感覚的にやっていることなどを、できる限り言語化あるいは図解しながら説明しました。


 

<実習>

実習は、プレ―ワーカーズが運営するプレーパークを体験する実習と、受講者が環境設定などを考えて遊び場づくりをしていく実習と2種類行いました。

プレーパークけせんぬま:常設の手づくり遊具を修理しています。初めてのインパクトドライバーを使いながら、その場で話し合いながら修繕・補強しました。

すると、子どもたちも混ざってきて、あっという間に子どもの世界が生まれ、建築が進んでいきました。

 

なとりむくむくプレーパーク:あいにく、朝からずっと雨。受講者のほとんどが、「今日は中止かな~」と考えている中、決行します。

「まず、シートで屋根を張って、居所を作りましょう」

雨なら、雨なりの遊びが生まれます。

常連の小学生たちと仲良くなる姿もありました。

 

森郷キャンプ場:普段はプレーパークとして使っていない山を借りて、午前中はゆっくりと下見。午後から、一般にも開放して1日プレーパークを行いました。

ひとりじゃ絶対に行こうとは思わないような崖。事前に自分の身体で体感しておくことで、危なさの度合いや気を付けるポイントなどが分かります。

しかし、その感覚は人によって違うので、下見の後にプレーワーカー同士で話し合いをして感覚をすり合わせていきます。

受け入れる準備をして

ロープの結び方なども教わりながら、環境づくりをしていきました。

 

最終日は、「ふりかえり」です。
実習のふりかえりは、もちろんその日・その場でもしましたが、
改めてチームでのふりかえりや、個人のリフレクションの方法を伝えました。
それぞれの職場や団体などでも、使ってもらえたらと思います。

5日間参加した方へは、「修了証」をお渡しし、2か月に渡る5回の連続講座を修了しました。

 

参加者の方は、それぞれ日々の仕事や活動に戻っていることと思いますが、

プレーワーカーの視点や考え方、立ち振る舞い方は、子どもが遊ぶところ=生きているところすべてで活かせるはずです。

 

こうやって、少しづつでも、子どもが遊び育つ環境を保障する大人が増えていくことを願っています。

 

 

プレーワーカーズは、講師の派遣も行っています。

ホームーページをご覧の上、お気軽にご連絡ください。

 

 

2023年度 外遊びを通じて子どもと関わるプレーワーカー養成講座

主催:一般社団法人プレ―ワーカーズ

協力:認定NPO法人冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク

助成:公益財団法人東日本大震災復興財団「子どもサポート基金」事業

※9/1~名称変更:東日本復興支援財団⇒子ども未来支援財団