放課後児童クラブ×プレイワーク
秋晴れの暖かい祝日、当団体の神林と遠藤は埼玉県上尾市の子どもの城公園にて遊び場を開きました。
「第35回あげおこどもまつり」
プレーカーによる移動型遊び場ですが、今回は参加するスタッフの研修という目的のある遊び場でした。規模は大きく、約1800人が来場しました。
依頼をくださったのは、NPO法人ハンズオン埼玉の西川正さん。
放課後児童クラブの運営に携わる中で、放課後児童クラブに プレイワーク を取り入れられたら、もっと子どもにとっていい環境になると考えたそうです。
★プレイワークとは
1980 年代に生まれ、イギリス・ドイツなどで広く定着している、子どもの遊びに関わる大人の専門スキルです。子どもは大人がいなくても、自らが遊ぶ力を持っているものです。しかし、近年の子どもを取り巻く時間、空間、仲間環境のもとでは、子どもは本来の力を発揮しづらくなっています。プレイワークは「その力を発揮し、いきいきと遊ぶことのできる環境をつくること」です。子どもへの関わり方(言葉のかけ方、関わる関わらないのタイミング)、遊具・道具・素材の選び方や配置、導線の考え方、土・水・木等の自然環境の生かし方などなど、プレイワークは奥深いスキルです。
現場のスタッフは、感覚的に プレイワーク に近い考えを持って働く方もいますが、その意味を言葉で保護者等に伝えることができていないそうです。
西川さんは、
「放課後児童クラブは大人の都合で子どもが預けられるところだけど、”放課後”って課されたものから解放された後って意味なんだから、子ども都合の時間が必要だよね」
と言います。
そんな子ども主体の、価値ある時間を任されている放課後児童クラブのスタッフは、「ただ世話をして遊んであげる人」ではないはず。
しかし、子どもが余暇を過ごし、遊んだりのんびりしたりする時間の価値を、説明する言葉を持ち合わせておらず、スタッフ自身もその価値を理解しないまま子どもに関わっている現状があるようです。
今回は、研修とは言ってもワークや座学ではなく、子どもが主役である遊び場で、プレイワーカーと共に過ごし、気づきを持ち帰っていただきました。
ある児童指導員は、
「自分は子どもを自由にさせてきたつもりだったけど、もっと考えることがあるかもしれない」
と話してくださいました。
私たちはその土地にいる人間ではないので、イベントが終われば、この土地を去ります。しかし、子どもの日常に関わる大人が何か気づきを得られたとしたら、1日だけの遊び場であっても、行く意味は大きいと思いました。
また、西川さんが私たちを呼んだ理由に、東日本大震災を経て、厳しい環境に置かれた子どもに向き合ってきた経験があるという理由があります。
遊び場を開いて1日過ごしてみると、言葉や行動が荒々しいストレスの感じられる子どもや親、気になる子ども達が何人も見られました。
子どもの生きづらさは、被災地よりも深刻なのではないかと疑うほどです。
その危機感を共有するためにも、西川さんはプレーカーを呼んでくださったのだと思います。
今後は、放課後児童クラブのスタッフ向けの研修を継続する予定です。共働き増加に比例して放課後児童クラブに通う子どもが増えている今、そこに プレイワーク が浸透し、子どもが主体で過ごす時間が増えていってほしいと思います。
当団体のプレイワーク研修について↓
遠藤みゆ
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