アソビのタネ

子どもがいるならどこでも「もっと楽しく」「もっとのびのびと」「もっと安心して」いられる現場づくりでの実践を記していきます。

DAY4・3密について~新型コロナによって行き場を失った子どもたちの日常を支えてきました~

こんにちは、プレーワーカーズ事務局の廣川和紀です。

 

新型コロナウイルスが日本でも広がり始めたころ、クラスター(感染発症率が高い集団)が生まれた場所の特徴として、

1、換気が悪く

2、人が密に集まって過ごすような空間

3、不特定多数の人が接触するおそれが高い場所

が挙げられたので、

 

その後、行動の指標として、

3密(密閉・密集・密接)を避けるようにとの呼びかけが広がっていきました。

 

そして、緊急事態宣言が解除になった地域でも、「新しい生活様式という行動指標が示され、3密は避けていくように要請され続けています。

 

 一定期間の「我慢」ではなくなった、この3密について、子どもに関わる私たちは、どのように考えていけばいいのでしょうか?

現時点で、明確な答えが出せるような問いではないかもしれませんが、

子どもの遊びの視点から、3密について考えていきたいと思います。

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ゴールデンウィークに入ったころ、家の近所の公園には親子で遊ぶ姿がたくさん見られました。

 

はじめは、それぞれ親子で遊んでいたのですが、

ある瞬間、写真の左側に映っているジャングルジムに、おおよそ2歳から5歳くらいの幼児たちが5~6人集まっていきました。

他の遊具は、黄色いテープが張られ、使用禁止になっているのに、何故かジャングルジムだけは、開放されていたからです。

 

1人の子がジャングルジムに近づき、遊び始めると、引き寄せられるように、他の子もジャングルジムに向かっていきました。

子どもには、「人と一緒に」、「人と同じこと」をしたいという欲求があります。

一人目が遊ぶ様子を見て、「何か楽しそう」と感じたのでしょう。

 

しかし、親たちの気持ちは、子どもの本能とは裏腹です。

「ん?3密か??」

「ジャングルジムに色んな子が触れているが大丈夫か??」

 

もちろん、声を出している様子はなかったので、想像でしかありませんが、きっとそんな思いだったのではないでしょうか?

その証拠に、子どもが集まったとたん、無理に引き離すようなことは誰もしていませんでしたが、1分もしないうちに、それぞれ家族ごとに離れていきました。

おそらく、

「そろそろ、帰ろうか」とか

「あっちに楽しそうなものあるよ」などと

子どもに話しかけ、誘導したのではないかと思います。

その後、5分もしないうちに、公園には誰もいなくなってしまいました。

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やはり、

新型コロナウイルスの影響は大きい”

”事態が収束すれば、元に戻っていくだろう”

 そう思うかもしれません。

 

 

しかし、このことに関しても、東日本大震災の頃と同じで、

「以前からある課題が表出した」

のだろうと思っています。

そのひとつに、保護者同士の接点がないから、子どもが子ども同士で遊ぶことができない。という課題があります。

 

保護者同士の接点がない(地域の希薄化)

⇒子育てが孤立する(核家族、孤育て)

⇒子どもが集まる機会が生まれない(少子化、移動性の不自由)

⇒子ども同士で遊ぶことができない(仲間の減少)

 

子どもが自由に遊ぶことができる社会を作っていくために、保護者同士のつながりは必須です。

新型コロナの前でも、そうでしたが、「おもちゃの取り合い」や「ケンカ」や「ケガ」などに対する認識や価値観が”違う”のか、”同じ”なのか「分からない」ということが、親同士を遠ざける一番の原因でした。

 

同じ地域に住んでいても、同じ年齢の子どもがいても、情報源が人それぞれで、多様な価値観が混在している社会だからこそ、「知る」ところから始めないといけません。

 

プレーパークや子どもの遊び場は、大人同士の関係を構築する場でもあります。

そのきっかけになるのが、子どもの遊びです。

そして、子どもの遊びを理解するためには、大人も遊んでみないと分かりません。

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この写真は、数年前に石巻市子どもセンターらいつが主催した「移動児童館」という事業の写真です。

 

共同作業をして、同じ釜の飯を食う

そして、しゃべる。

繋がりを作っていく、ひとつの方法として、とっても近道だと感じました。

 

同じように、子どもは、「遊び」を通じて、人と人の距離を縮め、時にはケンカをして距離をぐっと遠ざけ、また遊びを通して近づき、お互いのことを知り合いながら、自分自身の価値観を作っていきます。

 

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乳児の時期に、目と目で向き合い、手と手で触れ合うことで愛着形成が行われていくことはよく言われていることだと思います。

今回、家族内の接触までは、制限されていませんが、子どもの成長にとって、ふれあいが必要であることは、言うまでもないでしょう。

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プレーパークや遊び場では、こんな風に、ボランティアの学生にくっ付いて過ごしている場面をよく見ます。

 

安心感や親密感があってこそ、だと思いますし、逆にふれあいの中から安心感や親密感が生まれてくるとも思えます。

 

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自分たちだけの空間や、近い距離間は、仲間意識を高めていくと思います。

 

上の写真を見て分かるように、親たちだけでなく、子どもたちも、食べて、しゃべって仲良くなるんですね。

 

下の写真の小学生たちは、自分たちで掘って作った足湯に入っています。

単に体が密着しているというだけでなく、心の距離も見て取れます。

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密閉空間を作ることも大好きです。

秘密基地づくり、家づくり、居場所づくり

 

やっぱり、共同作業が生まれます。

 

 

前半の公園の写真以外は、数年前の写真ですが、

子どもが自由に遊ぶ中には、確実に3密が含まれます。

3密によって、子どもが育つと言ってもいいでしょう。

 

3月2日から、毎日開放している、子どもの居場所○○でも、

部屋の中はダンボールの家で埋め尽くされ、おやつは自分たちで作り、

仲良くゲームをしているかと思えば、ケンカして、

泣いているかと思えば、いつのまにか庭で走り回って鬼ごっこをしていたりします。

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 よく、遊ぶ中で、”社会性が育まれる”と言われますが、

特に地方では、子ども同士が集まって遊ぶ。という機会自体が失われています。

 

東日本大震災後、プレーカーによる出張をずっと続けていく中で、

「こういう機会がもっと増えてくれればうれしい」

という声をよく聞きました。

私たちが出張していくことで、子どもたちが遊ぶ機会が1日でも増えたら嬉しいです。

 

ただ、私たちの理想は、子どもたちが自分の意思で、自然と集まって子ども同士で遊ぶという「日常」です。

子どもの居場所〇〇で私たちができることは、名取市下増田・増田小学区に小さな拠点を構え続けることだと思っています。

 

 【最後に】

「集まる」というキーワードだけをピックアップすれば、

遊び場をオンライン化することも不可能ではないのかもしれません。

実際に、顔を見て話して、工夫すれば一緒に遊ぶことも、一緒に食べることもできそうです。

距離を越えた時間の共有は、できるようになりました。

実際に、何年も前から小学生たちは、放課後に会えないから、家に帰って、オンラインゲームを一緒にプレイするという生活をしています。

新型コロナによって、大人の方が遅れて、その進歩に気づいただけなのかもしれません。

 

今後はもっと技術革新が進み、感覚の共有もできるようになるでしょう。

 

感染症対策としての側面で、3密を避けていくことは、必要なことになるのかもしれませんが、それにより、得られるもの・失われるものの整理をして、

総合的に判断していくことが求められると思っています。

 

時と場合によっては、3密を避けない場面、あるいはあえて作り出す場面が出てくるでしょう。

それは、リスクとベネフィット(危険性と効果)のバランスによって、都度判断するしかありません。

 

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