アソビのタネ

子どもがいるならどこでも「もっと楽しく」「もっとのびのびと」「もっと安心して」いられる現場づくりでの実践を記していきます。

障がい児放課後等デイサービス施設での遊び

【障がい児放課後等デイサービス施設での遊び】

2022年10月28日、29日
岩手県野田村の障がい児放課後等デイサービス施設「ピーターズキッズ」にプレーカーで出張しました。
28日は平日だったので、普段通りの放課後の受け入れ時間にホッケーや雨どいなどのプレーキットを少し出して遊びました。

ツリーハウスが新しく完成していたので、そのお祝いに餅まきもしました。
29日は丸一日遊びます。
プレーキットと共に、工作台と工具を出すと、剣を作りたい男の子たちがググッとハマっていきます。

その一方で、ある子は、釘を拾うための磁石にハマり、ずーっとそれで遊んでいました。

そうこうしていると、「シートルーペ」というペラペラの虫眼鏡で火を付けたい!という遊びも。
秋も深まる中、いい天気とはいえ、付くかなぁ?どうかなぁ?

つきました!

職員の方々も普段から、手づくりのかまどで火をおこしているので、自然体で見守っています。

できたばかりのツリーハウスや、以前からあった遊具でも子どもたちは自由に遊んで過ごしています。
 
ここ最近、「インクルーシブ」という言葉が広がり、障がいの有無に関係なく遊べる場所(インクルーシブな公園)が注目されていますが、ココは、障がいを持った子が来る施設であり、スタッフもその専門の方々です。
そんな施設で、”遊び場づくり”を専門とする私たちも協力しながら、何年もかけてこの園庭を作ってきました。(作り替えのほとんどはピーターズキッズのスタッフさんがやっています。)
立派で魅力的な遊具が立ち並んでいるので、最近では、もっといろんな人が使えるようにしてほしいとの声も出ているようです。
 
でも、もしも健常の子が、”たくさん”来て、アクティブに遊んだら?
いま、せっかくここの施設を利用する子たちが、なんと!鬼ごっこなどの関わり合いも持ちながら、自由にのびのびと遊んでいるのに、もしかしたら外に出なくなって、また室内に避難してしまうかもしれない。
実は、障がい児だけでなく、不登校の小学生もひとり受け入れていました。
もしかしたら、そんな子たちの居場所でなくなってしまう可能性すらあります。
 
とはいえ、社会に出れば、色々な価値観の多様な人と出会っていくわけで、
そういう可能性をつぶしたい、分けたいというわけでもありません。
実際、今この施設を利用している子も多様で、身体的な障がいがある子もいれば、見た目では全く判断つかないけれど、発達障害の診断を受けている子もいます。年齢も小学1年生から高校生まで。
発達度合いも違えば、できること、できないこと、好きなこと、嫌いなこと、絶対に受け入れられないこと、、、当たり前だけど様々です。
 
現在、『インクルーシブって、なぁに?~子どもを分けない場づくり はじめの一歩~』という本も絶賛売り出し中で、その本の中のキーワードにもなっている「合理的配慮」によって、そんな多様な人が居られる場づくりを実践していこうということなのだと思うのですが、
実際問題、そんなに簡単なことではないなぁと思います。
 
簡単ではないけれど、やらないとは決めない。
僕自身もおかげさまで、プレーカーがあるおかげでこうやって、色々な場で実践を積むことができています。まだまだ勉強が必要だなと感じつつ、どんな子ども、どんな人にも共通する「遊ぶ」を突き詰めて活動を続けていきたいな、と改めて思いました。 (かずき)