アソビのタネ

子どもがいるならどこでも「もっと楽しく」「もっとのびのびと」「もっと安心して」いられる現場づくりでの実践を記していきます。

気仙沼市職員向けにプレイワーク研修を行いました

2016年12月19日、気仙沼市役所で子育て支援関係者(保育所・幼稚園・児童館・保育施設・学童保育の職員など)に向けて「子育て支援スキルアップ研修-もう一度子どもの遊びを見つめよう-」を行いました。

この研修は、気仙沼市保健福祉部子ども家庭課が職員研修として企画したもので、プレーワーカーズは開催に協力しました。

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【研修の目的は「遊び」の再確認】

子どもと関わる現場の職員に、どんな内容の研修を望んでいるのか尋ねると「遊びのレパートリーを増やしたい」という声が多いようです。

子どもに関わる施設では、日々忙しい中で遊び方や、イベントの準備、季節ごとの制作など「何をやるか」がスタッフの頭を悩ませているようでした。

しかし、

子どもの遊びはレパートリーを増えればいいのでしょうか?

遊びってスタッフが与えるものでしょうか??
そもそも、子どもに関わる大人の役割ってなんでしょうか?

打ち合わせの中で定めた今回の目的は、

「子どもたちの『遊び』に視点を置き、保育士・児童厚生員等の支援者の役割、地域の中の子育てについて考え、生きる力を育てる子どもの環境について共有する。」
というものになりました。

この研修、なんと10時~16時の丸一日かけてのプログラムでした。
午前は塚本岳さん(名古屋市緑児童館元館長、日本冒険遊び場づくり協会 地域支援員、あいち森のようちえんネットワーク代表)を講師にお招きして講演会、午後は当団体事務局長の神林によるプレイワークの視点を伝えるためのグループワークや実践研修を行いました。

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【午前:塚本岳さん講演「子どもの心の根っこは遊びで育つ」】
塚本さんの講演会では、名古屋市緑児童館での実践を伝えていただきました。

児童館は本来0~18歳を対象としていますが、気仙沼市は小学生の利用がほとんどなのが現状です。塚本さんが館長を務めていた緑児童館では、館内の色をパステルカラーではないビビットなカラーを用いて“小さい子どもの場所”というイメージをなくしたり、楽器が演奏できる部屋を用意したり、中高生も利用しやすい環境づくりをしています。

 

また、公共施設のため使えないコンセントの代わりに発電自転車を子どもと共に開発したり、子ども発案で企画会議を行うなど、子どもの「やりたい」に寄り添う運営をしていました。

子どもは遊びを通じて自ら育つ力を持っている。だから大人は子どもがただただ自由に遊べる環境をつくり、それを阻害する要因から子どもを守るのが役目。
そんなメッセージが込められた講演会でした。

【午後:神林俊一のワークショップ】

研修を受講しているのは、現場で子どもと関わっている職員です。子どもにとって「遊び」が必要不可欠であることは、これまでも学ばれてきたと思います。また、誰しも子ども時代があり、“遊ぶ感覚”は知っているはず。しかし大人になって多忙な日々の中で、その感覚を忘れてしまうことがあります。

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そこで、午後のワークショップでは、子ども時代に経験してきた遊びの記憶を思い出すきっかけとなるワークをグループで行った後、子どもの権利条約を確認しました。

グループワークでは、子ども時代に遊んできた遊びや遊んだ場所を紙に書きだし、そこに大人はどんな関わりをしていたのかを思い出しました。

子ども時代、今思えばかなり危ない遊びをしていたかもしれない。

あれは楽しかったなぁ…!

大人はその場にいなかった。

子どもの時、よく分からないことで楽しんでいた!

 

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ワークを通して、子どもの時の感覚がよみがえった方も多かったようです。
質疑応答の時には、

「ついつい禁止を口にしてしまっていた」

「子どもの遊びに介入しすぎていた。待てるところは待とうと思った」

などの気づきが聞かれました。

施設の中には、子どもにとって良い環境を用意したくとも、予算や土地の余裕がなく制限があるという意見もありました。しかし、職員の意識が子どもに寄り添っていれば、子どもの居場所にはなり得ると思います。

 

今回、気仙沼市の職員研修という大きな場で、“プレイワークの視点”を伝えられた事はとても良かったと思います。子どもの遊びという軸をもって、子どもの日常に寄り添う人々が増えれば、気仙沼の子どもの環境はより良くなっていくはずです。


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プレイワーク研修を開催!in宮城県気仙沼

「あなたにもできる!子どもの『遊ぶ』を支える大人になろう プレイワーク研修会」 日時:2016年12月12日(月)14:00~17:00

場所:宮城県気仙沼市海の市2階 □ship

講師:TOKYO PLAY代表 嶋村仁志

 

12月12日(月)、プレーワーカーズ主催で嶋村仁志さんを講師にお迎えし、プレイワーク研修を行いました。NPO、ママサークル、インターンなど、様々な立場で子どもに関わる8名が参加しました。

 

普段、講演会で「子どもにとっての遊びの大切さ」を広く伝えることは多いですが、今回は実践者を主な参加者とし、少人数で専門的な研修を行いました。学びや気づきを得るだけでなく、「プレイワーク」というキーワードで語り合える仲間づくりをするのも目的のひとつでした。

 

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【似顔絵ワークショップ】

プレッシャーのかかった状態と、少し条件を変えるだけで気が楽になる状態を体験できます。失敗していい空間は子どもの遊びにとってづくりのヒントになります。
「子どもの遊びの生態系は豊かですか?」

 

画面に大きくそんな言葉が映し出されます。自分の子ども時代の遊びを、地図や絵で紙に書き出すワークをした直後です。参加者のなかでも、年配の方のほうが山や川などの自然の中で遊ぶ姿がより鮮明に表れていました。

 

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かつて遊んでいた空き地に建物が建ったり、自由に入っていた山は危険だから、他人の土地だからと遊べなくなっていたり…
参加者の感覚から見ても、「子どもの遊びの生態系」はとてつもないスピードで変化しているようです。

ではそこに、大人としてどう関わっていくのか。 そこを考えるのが今回のプレイワーク研修でした。

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子どもは自分を遊びの中で育て、社会と関わる方法を知っています。 その力がのびのび発揮できるように、大人は遊べるフィールドを広げたり、不必要な危険を取り除いたり、子どもと関わったり、見守ったりすることができます。

 

「遊びを見守る」というけれども、ただ見ているのではなく、なにをすればいいのか。 例えば「見る」という動きひとつでも、「見てて!」と言って遊びを見てもらうのが、その子にとって安心する時もあれば、見られたくなくてこっそり遊ぶのがいい時もあります。

その子にあったやり方で、その子にあったタイミングを計って、子どもと関わる。 とても奥深いスキルだと思います。 そのスキルは一回の研修で身につくものではなく、むしろ研修の後で実際に子どもと関わったり、仲間と話すことで分かっていくことなのだと思います。

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今回は気仙沼周辺から参加者を集めたため、今後プレイワークを語り合う仲間づくりのきっかけにもなればいいなぁと思いました。

 

また、今回の研修だけではやりきれなかった内容も多く、次回の研修の希望も寄せられたため、また研修を開いていきたいと思いました。 同じ地域にプレイワークを話せる仲間がいることは、その人の子どもとの関わりが良くなっていくだけでなく、今後活動の広がりやモチベーションにも影響が大きいと思うからです。

遠藤みゆ
 

ハックの家 遊び空間デザイン 6~8日目 第1回完結!

9月11日より「特定非営利活動法人ハックの家」の障がい児放課後デイサービス「ピーターズキッズ」にて、遊具づくりをしています。


【9月16日】梁、滑り台

前日に滑り台の高さが決まり、同じ高さに合わせて梁を繋げていきます。
 

工程も半ばを過ぎて、疲労が溜まっている頃だと思いますが、こんなポーズでもキリッとカメラ目線!笑いがたえない遊具制作です。

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梁に滑り台の斜面の土台となる木材をかければ、その形がだんだんと浮かび上がってきました。

休憩中に語り合っていると、プレーワーカーも施設のスタッフも地元のお父さんも、仲間のような連帯感が生まれます。
「おれたち、よくここまで作ったよな」 そんな呟きが聞こえるような背中です。

 

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【9月17日】上棟式

この日はウッドデッキの床を張っていきました。木材を等感覚に並べると、風が気持ちいい見晴らし台のようになりました。ここに立てば海まで見渡すことができます。 

 

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デッキが完成すると、遊具ですが上棟式が行われました。

遊具制作を手伝ってくださった施設のスタッフや地元の方、それを見守りながら園庭の草刈りをしていた地元のお母さん達、遊んだり大人の手伝いをしたり自由に過ごす子ども達…遊具制作を中心に集まった人々全員で、遊具が無事に完成することを願いました。

 

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遊具制作なのに、子どもから大人まで集まって、まるで地域のお祭りです!

 

【9月18日】初すべりセレモニー

とうとうこの日が来ました。

 

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すべり面に板を張っているのを見たお母さん達が何かを思いついたようにバタバタと動き始めました。
「そろそろ完成だから、アレやろう!」

おもむろに風船を膨らませ始めました。

 

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「テープカットみたいにしたら面白いと思うんだよね!!」
カラフルな風船が滑り台に飾られます。

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制作開始から8日目、滑り台が完成し「初すべりセレモニー」を行いました。

 

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風船と紅白のテープが用意され、全員でカウントダウン。

「3,2,1・・!」

鮮やかな風船を吹き飛ばして、最初に滑ったのはお母さんたちでした。

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 大人も遊んでみなければ、そのすべる楽しさも、興奮するドキドキも感じられません。 危険ポイントもまた、遊んでみないと見えてきません。

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そして子どももきっと遊ぶだろう、何歩で登れるか競争!

足腰が強くなければ、斜面の途中で失速して滑り降りてしまします。
用意された遊び方を消費して飽きる遊具ではなく、発想が広がるほど、そして身体が発達するほど遊び方が増える遊具に。

プレーワーカーが、そこで遊ぶ子どもを見つめて設計した遊具が形になりました。

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 汗あり、笑いあり、感動ありな熱い遊具制作、第1回完結!



…しかし実は、完成したのは複合遊具のほんの一部だったのです。 
 第2回は複合遊具がさらに面白くなります。 
次回に続きます!

【ハックの家バックナンバー】

1日目   http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/12/231000

2日目   http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/13/000000

3日目   http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/16/112000

4日目   http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/25/000000

 特別インタビュー「なぜプレーワーカーズに遊具づくりを依頼したのか?」
http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/28/202500

5日目  http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/10/11/142300

 6~8日目 第1回完結! http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/12/08/000000

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子どものまち・いしのまき2016 vol.3

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 子どものまち・いしのまきの本番から1ヶ月後に子ども店長の打ち上げ会をしました(o^^o)

 

「子どもだって打ち上げしたいよ〜」

「みんなでバーベキューやりたい!」

そんな声に応えて計画してみました。

 

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当日配った雑なチラシw

なぜかコピーもせず、20枚くらいひたすら手書きしてました。

本番中は、子どもたちが頑張っているので、事務局長は意外とヒマなんですw

 

それでも、子ども12人、大人10人が集まりワイワイと食べたり、飲んだり、遊んだり。

 

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準備もみんなでやりました。

お昼頃に集まった子たちと一緒に歩いて買い物。

 

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歩きながら、色んなことを話しました。

 

6年生女子A「ひとりっ子だと得だよ!お小遣いもあるけど、欲しいって言えば買ってもらえるんだ。」

かずき(ひとり娘の父として複雑な思いを抱えつつ)「じゃあ、欲しいけど買えないなんてことないんだ?」

6年生女子A「そうだね!」

6年生女子B「いいなぁー」

 

僕は直接話していませんが、他の女の子は、「塾行かないとヒマなんだよねー」と言っていたそうです。

 

 広い意味での子どもの教育をしたい時も、福祉的な視点で子どもを守ったり支援したりしたい時もイマの子どもが置かれている環境を見続けないといけないなと感じました。

 

大人になるとたかだか10年、20年前の状況も「最近」という一括りにしがちですが、その感覚は違うかもしれないですね。

自戒を込めて書いておきます。

 

 それからもうひとつ。

バーベキューは17:00までの予定だったので、暗くなって来たら片付けを始めました。子どもたちがだいたい帰った後も残り、最後の最後に大人が解散するときまで一緒にいる中学生の女の子がいました。小学生のようにはしゃいで楽しそうにするわけではないけれど、静かに座って、最後の方は大学生と喋ったりしてました。

 

真意は分かりませんが、きっと帰ってもつまらないんだろうな…。

 

解散の時に誰かが、「バイバイ!また来年!」と言っていましたが、それを聞いて僕は少し寂しい気持ちになりました。

 

僕は石巻市民ではありません。

実は、このバーベキューに参加した大人のほとんどが石巻市民ではありません。

 

いつも近くにいれない大人は時に無力です。

 

子どものまちはすごく楽しいイベントで、子どもも大人さえも楽しみにしています。バーベキューだって、違う学校、違う学年の子どもたちが集まって、協力したり、一緒に遊んだり、おしゃべりしたり楽しかったです。

 

だけど、そこから見えてくる子どもの日常は、それとは対極かもしれない。

そういう疑問を持って子どもを見つめる大人がひとりでも増えてくれたらいいと思うし、そのためにまた仕事頑張ろうと思った帰り道でした。

 

廣川和紀(かずき) 

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なおたろうとかずきが来る日

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2016年11月15日(火)

亀が森公園・神社に30人ほどの親子が集まりました。

大人は、焚き火をしながらまったりおしゃべりしたり、イモを焼いたり。

子どもは、遊具で遊んだり、山に登ってみたり。

暖かい最後の秋を満喫するかのように外でのんびり遊び過ごしました。

 

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ひとりで登った少年(弟を踏み台にしたのはナイショ)

 

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トンボのエサを探したり、宝物を発見したり

 

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落ち葉もあって秋って感じ

 

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山から降りてきたおじさん(笑)に寄っていく子どもたち

 

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焼きいもしながらまったり遊ぶ

 

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頂上まで行けるのかな?途中いい景色が見えるらしい!

 

 

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次回予定を手書き看板に!

そう。それが、「なおたろうとかずきが来る日」です。

なんか、イベントチックにしなくても、誰かいる日にちと時間と場所が分かればいいよねーって感じ。

遊びに連れていく場所がないんだーっていうお母さんたちと一緒に情報共有メーリングリストも作成することになりました。

 

 

こんな一日のキッカケは、石巻市子どもセンターらいつ主催の移動児童館という事業。

石巻市市町村合併もしているので、とにかく広い!らいつに来れない子どものために出張しよう!外で遊べるようにしていこう!

と、2年前から、動き始めている事業です。

 

子どもセンターだけでなく、社会福祉協議会や子どもの居場所、遊び場づくりをしているNPOも協働で行ってきました。

 

河北地区(追波川運動公園)、桃生地区(桃生総合支所前芝生広場)という2つの地域で行っていたのですが、プレーワーカーズはどちらにも関わっています。

プレーカーでの遊びを展開し、プレーワーカーとして遊び、そして地域の人と関わってきました。

 

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年間それぞれ4-5回っていうペースでやってきました。

最初誰にも知られてない取り組みでしたが、子育て世代(乳幼児親子)の居場所になってきて、いつも来るママたちとは顔見知りって感じになってきました。

でもね。今年度は、11月のあたまで終わっちゃったんです。

それじゃあもったいない!ということで、お母さんたちと話し合いをしました。

「みんな来るって分かってたら行きたい。」

「だったら、プレーワーカーのなおたろうとかずきが11/15、亀が森公園にいます。」

 

という経緯ではじめの文章に戻ります。

 

そんなこんなで、誰が集まるかなー?と心配していましたが、ポカポカ陽気のおかげでたくさん集まり、楽しく過ごせました。

 

そして、こんな相談も受けました。

 

「蛇田の小学生が外で遊ばない。」

 

蛇田地区というのは、20年前までは辺り一面全て田んぼでした。

しかし、今では、高速のインターがあり、デパートが立ち、新興住宅地になっています。

それだけでなく、石巻市最大、東北最大級?の復興公営住宅団地が立ち並ぶ町になっています。

小学校の児童数も700人!?というマンモス校なのに、現在体育館を校庭に増設しているらしく、校庭でも遊べない。他に遊ぶ場所もない。

 

「プレーワーカーズさん来てくれませんか?」

……正直に言って、プレーカーが1日出張で出向いたところで、何も変わりません。

でも、亀が森冒険遊び場の1番最初もそうでした。「震災後すぐで遊ぶ場所がない子どもたちにどうにか遊びを」と考えた大人が公園や学校、地域を歩いて見て回って、「一回遊んでみよう」と始めたのです。

また最初の文に戻りますが、今となってはこうやって子どもや親子が集まる場になっています。

 

まずは、地域を一緒に歩いて見てみましょう。

 

そこから遊び場づくりは始まるのかなと思います。

これもまた遊び空間デザインかもしれない。

 

後半長くなりましたが、盛りだくさんの濃い1日でした。

 

廣川和紀(かずき)

 

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子どものまち・いしのまき2016 vol.2

子どものまち・いしのまき2016が開催されました!!

 

日時:2016年10月1日(土)~10月2日(日)

場所:石巻市橋通り界隈

 当団体理事 廣川和紀(かずき)が子どものまち・いしのまき実行委員会の事務局長を務めました。

 

★当日の様子

1日、2日合わせて1200人もの来場者でにぎわい楽しいイベントとなりました。

 

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当の子どもたちも遊んだり、仕事したり、店長として指示を出したりなどそれぞれ楽しんでいるようでした。当日、急に明るく話す子や職人のようにひたすら仕事に打ち込む子など楽しみ方も様々です。例のカジノは、高学年、中学生たちのたまり場になっていました。店長の仕事をさぼって遊びに来たり、他の店では働かずにずっとカジノで稼ぎ続けたりする子も現れてきました。

 

こんな記述をした時点で、「いいのか?それで」と疑問に思う人もいるかもしれないので、念のために補足しておきます。おそらく、その疑問は、「仕事体験のイベントなのに働かなくていいのか?」や「お店や他の子に迷惑をかけているのではないか?」などのようなことではないでしょうか。

 

しかし、僕は思います。それは、先回りしすぎた要らぬ不安だと。コツコツ働いて食べ物を買ったり、買い物を楽しむのも一つの過ごし方ですが、そうでない過ごし方、生き方を選ぶのも自由です。本当はいつだって子ども本人が主役であるはずです。しかし、それが日常の中で叶っていないことがあまりに多いからこのイベントがあるのだと思います。そして、子ども社会の中でのトラブルや人間関係についても子どもたちの中で解決していきます。

 

なんと、今年はじめて裁判所ができました。

 

★銀行が破産!?

実際、トラブルは起こりました。カジノでずっと稼ぎ続けた子が、換金してもらおうと銀行にやってきました。しかし、その金額が桁違い…。アルバイトは20分で3マキーくらいで、たこやきなどを買うのにも1つ3マキーくらいが相場ですが、彼の手持ちは800マキー!!

マキーは、軽石に色を塗ったものです。銀行にもそんなに在庫はありませんでした。

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 「お金が下せないのはおかしい」、「カジノの配当金が高すぎる」、「カジノは悪いことしてない」などといったやりとりが続いた後、「じゃあ、裁判だ!」となり、「換金ができない銀行を訴える」という裁判が開かれることになりました。

 

★話し合いの末

銀行は仕事が忙しいこともあり、裁判官が原告とカジノ店長の話を聞き始めました。そして、「カジノの配当金をなぜ銀行が出すのか」という矛盾に気付き始めたのです。

 

子どものまち・いしのまきの遊び方の仕組みは、お店で働いたら、パスポートにハンコを押してもらい、そのパスポートを銀行に持っていくと給料としてマキーが手元に渡るというシステムでした。

 

カジノの配当は、売り上げの中からやりくりするものなのか、それとも給料のように銀行からもらうものなのか。そして、他のお店も売り上げからアルバイトを雇うのか、それとも給料は銀行(まち)が負担するものなのか。などといったまちの仕組み自体を考え直さなければいけないことが見えてきました。

 

結果、裁判という形ではなく、カジノ側が、一度に賭けられる金額を押さえることにしていました。

 

★子どもが主役

例の裁判に限らず、子どものまちの中では、子どもたちのやりとりに疑問が湧くこともありますし、アドバイスしたくもなります。

 

「こうすればいいんじゃないかな」「この方が良くなると思うよ」「それはどうかな」

 

しかし、そこをグッと我慢したときに、普段いかに子どもたちの主体性を奪っていたか気づくことになるのではないでしょうか。

実際、大人が思っていたように上手くいかないかもしれません。そのせいで、お客さんを待たせたり、不手際があったり、トラブルが起こるかもしれません。

 

それは、イベントをつくっている身としてはとても怖いことです。どうせなら笑って終わりたいし、どうせならみんなが満足した形にしたいし、どうせならいいイベントだねって言われたいです。でも、本当に子どもが主役のまちを目指すのならば、その恐怖と戦って、、

 

違いますね。子どもを信じて見守りたいと思っています。

 

★自律し、自立する

子どもに対して、「自由にしていいよ」というメッセージ、態度を取り続けていると結果として、子どもたちは自律するようになります。つまり、自分で考えて、自分で決めてという状態のこと。誰かに決められた決まりを守るのではなくて、自分で判断し、律していくことができるようになるのだと思います。

 

反対に「あれもこれもダメ」と制限をかけていると、「~してもいいですか?」と他人に決めてもらうようになり、それはやがて、「あなたがいいと言ったのに失敗した」というような責任転嫁につながる可能性さえあります。

 

自律は自立するための目的です。自立した個人は協力し合うことができます。

それこそが、子どものまちをやる目的であり、子どものまちの評価軸でもあると僕は考えています。

 

★子どもから学ぶ

長く、そして小難しくなってしまいました。最後に言いたいのは、実は大人の方がよっぽど自立状態から遠い人が多いと思っています。自分たちが暮らしやすいように、楽しく過ごせるように、ルールや仕組みについて話し合って、他人の意見も尊重しながら決めていく。子どものまちをつくる過程で見られる子どもたちのチカラ、それを大人も学び、自分たちの社会に活かしていけるといいと思います。

 

 

子どものまち・いしのまきを通じて、大人たちによる子どもへの視点が変わることを願って。

 

廣川和紀(かずき)

 

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子どものまち・いしのまき2016 vol.1

子どものまち・いしのまき2016が開催されました!!

 

日時:2016年10月1日(土)~10月2日(日)

場所:石巻市橋通り界隈

 

当団体理事 廣川和紀(かずき)が子どものまち・いしのまき実行委員会の事務局長を務めました。

 

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◆私の疑問

子どもたちは、普段大人が決めた大人社会のルールの中で暮らしています。

「子どもが主役のまち」というスローガンを掲げた子どものためのイベントづくりの中で彼らはどうなっていくのでしょうか?

 

実は事務局長として、イベント全体の管理をしつつ、子ども会議担当でもありました。

普段仕事として行っている遊び場づくりとは、ちょっと違う活動に見える子どものまち。それでも僕がプレーワーカーとして関わりたいと思った気持ちについても触れながら話を進めていければと思います。

 

◆子どものまちとは

チラシには、「ひとりひとりが主役になれるまち。子どもたちで考えた仕事やメニューが並びます。受付でパスポートをもらったらまずはやりたい仕事探し。仕事してお金を貯めたらみんなのつくったものを選んだり、使ったり、買うこともできる。」とあります。

昨年度、実行委員会議で話し合った目的としては、以下の5つが挙げられています。

①子どもがまちづくりの主役になる場をつくる

②職業・社会体験の機会を提供し、子どもの夢・未来を応援する

③社会の仕組みや役割を理解し、課題解決する人とまちを育む

④商店街等と連携し、まち全体を子どもの居場所にしていく

⑤一人一人の遊び心を大切に、年に1回のイベントを楽しむ

 

「自分たちが考えたお店」、「自分たちのまち」をつくっていくためには事前の話し合いが必要です。6月から4回の店長会議、運営委員会議を重ねてきました。

その過程こそが、一番大切で一番おもしろいポイントだと思っています。

 

 

★自由な店づくり

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今年度の店長会議の流れを見ていきましょう。

 

「店長やりたい!」と集まってきた子たちのやりたいことを聞いて、グループに分かれてお店づくりをしてきました。

たくさん出た中で目立っていたのが「カジノ」です。「マキー(子どものまち通貨)をたくさん持っている人が増えてきたからカジノでたくさん使ってもらおう」という発想から生まれたお店です。

 

同時に「イタズラ」のお店もできました。銀行強盗をするなど、秩序を乱すグループです。

「それならば!」と生まれるのが警察。

ですが、発案し引き受けたのがカジノの店長でした。警察の仕事もするカジノなんて聞いたこともないし、おもしろいですよね。

大人の社会常識からすれば、「別組織にしておいた方がいいんじゃないか?」と口を挟みたくもなりますが、ここは子どものまち。子どもたちの中でいま、問題が起きていないのであれば見守ろうと考えました。

 

また、子ども店長会議はなるべく白紙状態からやりたいと思って計画しました。

これまでの経験があるので、子どもたち自身も、「これは現実的じゃない」とか「去年と同じように」となりがちです。でも、ゼロをイチにする時が一番楽しいときだと思います。

 

vol.2に続きます。

廣川和紀

 

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