石巻はプレイワークがアツイ!
2016年12月15日、石巻子どもセンターらいつを会場に、プレーワーカー向けの合同研修会を実施しました。主催は子どもセンターらいつ。講師兼コーディネーターは、当団体理事廣川和紀です。
石巻には、子どもの遊びに関わる仕事に就いている人、すなわちプレーワーカーがたくさんいます。なんと、4団体、総勢18人が集まりました。
内訳は
★石巻市子どもセンターらいつ
石巻市が運営する児童館です。石巻市は、宮城県内で唯一「子どもの権利に関する条例」を定めていて、この“らいつ”ができてからは、子どもによる子どものための活動も活発になっています。
★NPO法人にじいろクレヨン
震災をきっかけに立ち上がった子ども支援団体です。避難所、仮設住宅での遊び場、居場所づくりの活動から始まり、今では復興公営住宅での活動や民間の児童館、子育て広場など多くの事業展開をしています。
★NPO法人こども∞感ぱにー
遊び場づくり、子育て・不登校支援を行う団体です。鹿妻、渡波地区を拠点に地域に根ざした活動を続け.石巻のモデル的な役割を果たすまでになっています。
★一般社団法人プレーワーカーズ
遊び場づくり支援、プレーワーク研修を行う団体です。主に岩手、宮城、福島の広域で活動していますが、石巻にも震災直後から関わってきました。
石巻には他にも子どものための活動はたくさんありますが、今回は子どもの遊びを職業としている人をメインに集めました。また代表者や経営者ではなく若手職員を中心にしました。
【なぜ若手職員を対象にしたのか。】
それはもう単純明快。
上司に言えないことってあるじゃないですか。
100人以上の大きな会社なら同期もたくさんいて、仕事終わりの1杯でグチの1つや2つ3つや4つ…出ますよね。
でもこの業界まだまだ発展途上なので同期と呼べる人や気持ちが分かる人が団体内に少ない。じゃあ、横でつながろうよ。そういうことです。
もちろん、はけ口大会を開催したわけではありません。
もう少し丁寧に書くと
・自団体のことを自分で表現できるようにする
・プレイワークを学ぶ
・行政、社会に提言できるようなネットワークの第一歩
かな。
本題に入りましょう。
午後から現場に向かわなければいけない人もいたため、朝早くから集合し、スタートしました。ということで、まずは、ホールに移動し、アイスブレイク
体が温まったところで、部屋に戻り、グループワークを始めます。
今回の研修は、ほとんどがグループでのディスカッションです。
話し合いの場では、全員が主役になって欲しいので、いくつかルールを設けました。
・話すときは「トーキングオブジェクト」を持つ
・話し手以外は聴く
・否定しない
・自信を持つ
簡単なことですが、参加者が意識するかどうかでずいぶん違います。
そして、内容としては、
①「自分のこと」を話す
②「自団体のこと」を話す
③「子どもの遊びを触発する」を話し合う
でした。
今回のメインテーマは、③の「子どもの遊びを触発する」です。
プレイワーク研究会のテキストを使い、ディスカッションをしました。
遊びを触発?
遊びのダイナミズム?
してもいいラインってなんだ?
プレーワーカーにもキャラクターがある
子どもの遊びには陰と陽、静と動がある
などなど、疑問や色んな意見が飛び交いました。
テキストが正解というわけではなく、こうして自分自身を振り返ったり、お互いが考えていることを深く知ったりできたことがよかったのだと思います。
実際、「プレーワーカーズの人が何であんな動きをしていたのかやっと理解できた。」という感想も出てきました。
これからも定期的に集まりたい!
自主的にでも勉強会したい!
参加者からそんな声が聞こえてくるほど、有意義な時間になったように思います。
こんな報告をこれからもしていきたいです。
廣川和紀
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一般社団法人プレーワーカーズ
〇プレーカー・プレーワーカーを呼びたい方、
講演・研修・遊び場づくりなど、その他ご相談はこちらへご連絡ください
〇ご支援のお願い
遊び場づくりの支援や、子どもを取り巻く課題解決のため、ご支援のほど宜しくお願い致します。
http://playworkers.org/donation
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トカイナカのハンタイ
気になって検索すると「トカイナカ」という概念にたどり着いた。
でも、今回はその反対からスタートすることになった。
◯トカイナカとは
トカイナカとは、都会と田舎の中間のことをいう造語である。どこの地域のことを指すのか、はたまたどんな時に使うのかは、人によって違うが、東京都の多摩地区や埼玉県など都会の便利さも享受しつつ田舎の豊かさも満喫できるような場所のことを言うらしい。
そして、意識的な部分から見れば、都会に住んでいた人が田舎に憧れてプチ移住するという概念なのだろう。
◯石巻市蛇田地区
そもそも東京近郊と比べたら、石巻は田舎だ。海があり、山もあり、田んぼも広がっている。自然豊かな環境で暮らしたいと思ったら、候補の一つに挙げてもいいくらいステキなところである。
今回の舞台である石巻市蛇田地区も20年もさかのぼれば田んぼの広がる田舎だったという話はよく聞く。しかし、1996年にイトーヨーカドーができ、2007年にイオンモールができた。さらに追い打ちをかけたのが2011年の東日本大震災である。被災地最大の集団移転団地ができたのもこの蛇田地区だ。急激にまちが様変わりしたことは想像に難くない。トカイナカとは反対に田舎に住んでた人が急に都会で暮らしはじめたという感覚だろう。
さて、子どもの環境に目を向けてみる。蛇田小学校の児童数は750人を超えた。これも石巻最大だ。
◯スキマがない
依頼は、ひとりのお母さんの声だった。
「蛇田小学校の体育館工事が始まって、校庭の半分が使えない。放課後も遊ぶ場がなくて、小学生が全く外に出ない。」
そして、こんなマップも見せてくれた。
衝撃だったのは、「大通りを越えてはいけない」そして、「みんなそれを守っている」さらには、「違反が見つかったら学校へ通報される」というにわかには信じられない話だった。
イマの世の中の常識がそこにあるのなら僕の認識不足でしかないが、子ども監視社会としか言えない状況はイマココにある。
さて、どこで遊ぼうか。
◯ 散歩
2016年12月11日(日)
依頼者である蛇田小学校6年生の母親と子どもたちと共に学区内で遊べそうな場所、プレーパークができそうな場所を探すことにした。
1、住宅街の中の自然公園
ごくごく狭い敷地と観察池。池の方には柵があって行けない。曰く生き物は何も来ない。どうして大人が作るものはチグハグなんだろう?
2、学区外の土手
大きな川の土手が遊びやすいスポットだった。しかし、今は工事中で入ることすらできない。
3、川の主が居るところ
NPO法人ひたかみ水の里が手づくりした小川があり、小さなプレーパークのような場所だった。カヌー体験もでき、薪ストーブもある。川のこと、地域のことを知り尽くしたおじさんがいるのも魅力でいつでも遊びに来れそう。
学区のはじっこだから高学年が自転車で来れるかどうか。
4、お寺の住職さん
民生委員も務める住職さんがいるお寺。講堂は子育て団体にも貸し出ししているらしく、話が早い。七輪を持ってきて仲間づくりをするのに最適かもしれない。
5、神社と林
神社がある小さな公園。すべり台とブランコがあり、遊び場活動をするのには良さそう。ただ、大通りや主要道路から裏に入ったところで、知る人ぞ知るといった場所だ。すぐ横には小さな林もあり、これもまた工夫次第で遊べそう。
◯灯台元暗し
色々歩いてまわった結果、最後の神社の場所が良さそうだ僕らは感じた。
依頼者のお母さんからすると、学区の外れでもあり、車に乗っていると気付かないような場所だったので、「こんな場所?」と候補から外していたところだった。
しかし、子どもたちはそんな場所で、遊びはじめ、軽く1時間は遊び込んだ。帰りの時間が差し迫っていたため、終了となったが、いつまでも遊んでいられるのだろう。
子どもの遊び心は、「場」から感じるものを受け取って刺激される。プレーワーカーにもそれが見えているから、子どもの気持ちを通訳することができる。大人目線では見えていないことを伝えるのもプレーワーカーの役割だろう。
そして、帰ることにしたのだが、わき道を抜けるとよく知る光景があった。NPO法人にじいろクレヨンと共に活動をしている復興公営住宅の公園(新しくできた公園)のすぐ近くだった。
「この場所なら、公営住宅に住む子どもたちも来やすいね。」
まさに灯台元暗しだ。
きたなシュラン(見た目は汚いけれど、料理は美味しいレストラン)のような穴場を発見することができた。
この日のアテンドは、塩田大介と廣川和紀。
余裕があれば、一緒にまわった小学校6年生3人との会話や遊び、学校や社会、大人への一言などを紹介したい。
廣川和紀(かずき)
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スタッフ研修会
2016年12月6日17:00-19:00
NPO法人にじいろクレヨン様(http://nijiiro-kureyon.jp/)からスタッフ向け研修会の依頼をいただき実施してきました。
講師兼コーディネーターは、当法人理事廣川和紀です。
テーマは、「プレーパークって何のため?」
震災が起こる前、宮城県にはプレーパーク、冒険遊び場の活動は4つしかありませんでした。しかし、気仙沼あそびーばーを皮きりに子どもの遊び場づくりを行う活動は増えていきます。石巻でも子ども支援の団体の中では「プレーパーク」という言葉が定着してきたように思います。
しかし、言葉が広がる一方で、プレーパークってなぜ必要なのか、自分自身の興味や問題意識とどうリンクしているのかについては、意外と考えていないのでは?と思い、こんなテーマでやってみることにしました。
今回は、講義形式ではなく、ワークショップです。
「プレーパークって何ですか?と聞かれたら何と答えますか?」
というなんともザクっとしたことを個人で考えてみることから始まり、
「なぜ、プレーパーク、子ども、にじいろクレヨンに興味を持ったのか」という個人の深い話もしました。
きっかけはそれぞれでしたが、幼少期からの記憶や考えの変化、働きかた、震災からの想いなどたくさん出てきました。
また、他県からボランティアで入り移住した人やそんな姿を見て活動を始めた地元の人が一緒に仕事をしていることも感慨深く感じました。
同じ団体のスタッフ同士とはいえ、普段はなかなか時間をとってそこまで語り合わないためか、新鮮だったようです。自分のことを見つめ直し、お互いのことを知ると仕事仲間が好きになると思います。
最後は、団体として、なぜプレーパーク活動を行うのかをまとめたところで次回に繋ぎます。
え!?次回?
そうです。この研修会3月まで月1回のペースで行うことになりました。
また頑張って報告します。
にじいろクレヨンは、震災直後の避難所で子どもの心のケアを目的に立ち上がった団体です。それ以降、仮設住宅での遊び場・居場所づくり活動、外遊びとしてのプレーパーク活動、民間児童館活動、子育てひろば事業、復興公営住宅でのコミュニティ支援など多岐にわたる事業展開をしています。
子ども支援団体の仲間として、これからも応援していこうと思います。
理事 廣川和紀(かずき)
0歳児の母親向け講座
2016年11月2日
石巻子どもセンター主催の講座で
廣川和紀が「子どもにとって遊びとは」というテーマで話をしてきました。
0歳児の母親向けということで、「なぜ子どもにとって遊びが必要なのか。」というか、「そもそも遊ばないと生きていけないよね子どもは。」とか、「遊びっていったい何なんだ?」といったことに僕がなぜ興味を持って、どう考えていったかということについての話から始めました。
親になってからの気づきや子どもに関わるボランティアを通じて気づいたことなどなどを踏まえて。
で、「親としてはどうしたらいいんだろう?」
への自分なりの回答を用意していった感じです。
参加者の方の半分は、他県出身の方だったので、最後には転勤族の子育てにも冒険遊び場はいいよーという話もしました。
子どもの遊びのことって、自分も経験しているから本当は分かっているはず。
だけど、忘れがちになっちゃうこと。
そして、普段はあまり関わりがないだろう、小学生や中学生置かれている今の石巻の環境についても気づきにくい。
でも、それをちょっとでも知っておくと自分の子どもが成長していった時のために、なんとかしておかなきゃって思うはず。
他県から来た人は「地方は選択肢が少なくて…」と気づくことが多い。
これからの石巻はそんな外視点も必要かもしれない。
廣川和紀(かずき)
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一般社団法人プレーワーカーズ
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気仙沼市職員向けにプレイワーク研修を行いました
2016年12月19日、気仙沼市役所で子育て支援関係者(保育所・幼稚園・児童館・保育施設・学童保育の職員など)に向けて「子育て支援スキルアップ研修-もう一度子どもの遊びを見つめよう-」を行いました。
この研修は、気仙沼市保健福祉部子ども家庭課が職員研修として企画したもので、プレーワーカーズは開催に協力しました。
【研修の目的は「遊び」の再確認】
子どもと関わる現場の職員に、どんな内容の研修を望んでいるのか尋ねると「遊びのレパートリーを増やしたい」という声が多いようです。
子どもに関わる施設では、日々忙しい中で遊び方や、イベントの準備、季節ごとの制作など「何をやるか」がスタッフの頭を悩ませているようでした。
しかし、
子どもの遊びはレパートリーを増えればいいのでしょうか?
遊びってスタッフが与えるものでしょうか??
そもそも、子どもに関わる大人の役割ってなんでしょうか?
打ち合わせの中で定めた今回の目的は、
「子どもたちの『遊び』に視点を置き、保育士・児童厚生員等の支援者の役割、地域の中の子育てについて考え、生きる力を育てる子どもの環境について共有する。」
というものになりました。
この研修、なんと10時~16時の丸一日かけてのプログラムでした。
午前は塚本岳さん(名古屋市緑児童館元館長、日本冒険遊び場づくり協会 地域支援員、あいち森のようちえんネットワーク代表)を講師にお招きして講演会、午後は当団体事務局長の神林によるプレイワークの視点を伝えるためのグループワークや実践研修を行いました。
【午前:塚本岳さん講演「子どもの心の根っこは遊びで育つ」】
塚本さんの講演会では、名古屋市緑児童館での実践を伝えていただきました。
児童館は本来0~18歳を対象としていますが、気仙沼市は小学生の利用がほとんどなのが現状です。塚本さんが館長を務めていた緑児童館では、館内の色をパステルカラーではないビビットなカラーを用いて“小さい子どもの場所”というイメージをなくしたり、楽器が演奏できる部屋を用意したり、中高生も利用しやすい環境づくりをしています。
また、公共施設のため使えないコンセントの代わりに発電自転車を子どもと共に開発したり、子ども発案で企画会議を行うなど、子どもの「やりたい」に寄り添う運営をしていました。
子どもは遊びを通じて自ら育つ力を持っている。だから大人は子どもがただただ自由に遊べる環境をつくり、それを阻害する要因から子どもを守るのが役目。
そんなメッセージが込められた講演会でした。
【午後:神林俊一のワークショップ】
研修を受講しているのは、現場で子どもと関わっている職員です。子どもにとって「遊び」が必要不可欠であることは、これまでも学ばれてきたと思います。また、誰しも子ども時代があり、“遊ぶ感覚”は知っているはず。しかし大人になって多忙な日々の中で、その感覚を忘れてしまうことがあります。
そこで、午後のワークショップでは、子ども時代に経験してきた遊びの記憶を思い出すきっかけとなるワークをグループで行った後、子どもの権利条約を確認しました。
グループワークでは、子ども時代に遊んできた遊びや遊んだ場所を紙に書きだし、そこに大人はどんな関わりをしていたのかを思い出しました。
子ども時代、今思えばかなり危ない遊びをしていたかもしれない。
あれは楽しかったなぁ…!
大人はその場にいなかった。
子どもの時、よく分からないことで楽しんでいた!
ワークを通して、子どもの時の感覚がよみがえった方も多かったようです。
質疑応答の時には、
「ついつい禁止を口にしてしまっていた」
「子どもの遊びに介入しすぎていた。待てるところは待とうと思った」
などの気づきが聞かれました。
施設の中には、子どもにとって良い環境を用意したくとも、予算や土地の余裕がなく制限があるという意見もありました。しかし、職員の意識が子どもに寄り添っていれば、子どもの居場所にはなり得ると思います。
今回、気仙沼市の職員研修という大きな場で、“プレイワークの視点”を伝えられた事はとても良かったと思います。子どもの遊びという軸をもって、子どもの日常に寄り添う人々が増えれば、気仙沼の子どもの環境はより良くなっていくはずです。
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一般社団法人プレーワーカーズ
〇プレーカー・プレーワーカーを呼びたい方、
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〇ご支援のお願い
遊び場づくりの支援や、子どもを取り巻く課題解決のため、ご支援のほど宜しくお願い致します。
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〇HPはこちら↓
http://playworkers.org
〇普段の活動の様子が見られる、ブログ「アソビのタネ」はこちら↓
http://playworkers.hateblo.jp
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プレイワーク研修を開催!in宮城県気仙沼
「あなたにもできる!子どもの『遊ぶ』を支える大人になろう プレイワーク研修会」 日時:2016年12月12日(月)14:00~17:00
講師:TOKYO PLAY代表 嶋村仁志
12月12日(月)、プレーワーカーズ主催で嶋村仁志さんを講師にお迎えし、プレイワーク研修を行いました。NPO、ママサークル、インターンなど、様々な立場で子どもに関わる8名が参加しました。
普段、講演会で「子どもにとっての遊びの大切さ」を広く伝えることは多いですが、今回は実践者を主な参加者とし、少人数で専門的な研修を行いました。学びや気づきを得るだけでなく、「プレイワーク」というキーワードで語り合える仲間づくりをするのも目的のひとつでした。
【似顔絵ワークショップ】
プレッシャーのかかった状態と、少し条件を変えるだけで気が楽になる状態を体験できます。失敗していい空間は子どもの遊びにとってづくりのヒントになります。
「子どもの遊びの生態系は豊かですか?」
画面に大きくそんな言葉が映し出されます。自分の子ども時代の遊びを、地図や絵で紙に書き出すワークをした直後です。参加者のなかでも、年配の方のほうが山や川などの自然の中で遊ぶ姿がより鮮明に表れていました。
かつて遊んでいた空き地に建物が建ったり、自由に入っていた山は危険だから、他人の土地だからと遊べなくなっていたり…
参加者の感覚から見ても、「子どもの遊びの生態系」はとてつもないスピードで変化しているようです。
ではそこに、大人としてどう関わっていくのか。 そこを考えるのが今回のプレイワーク研修でした。
子どもは自分を遊びの中で育て、社会と関わる方法を知っています。 その力がのびのび発揮できるように、大人は遊べるフィールドを広げたり、不必要な危険を取り除いたり、子どもと関わったり、見守ったりすることができます。
「遊びを見守る」というけれども、ただ見ているのではなく、なにをすればいいのか。 例えば「見る」という動きひとつでも、「見てて!」と言って遊びを見てもらうのが、その子にとって安心する時もあれば、見られたくなくてこっそり遊ぶのがいい時もあります。
その子にあったやり方で、その子にあったタイミングを計って、子どもと関わる。 とても奥深いスキルだと思います。 そのスキルは一回の研修で身につくものではなく、むしろ研修の後で実際に子どもと関わったり、仲間と話すことで分かっていくことなのだと思います。
今回は気仙沼周辺から参加者を集めたため、今後プレイワークを語り合う仲間づくりのきっかけにもなればいいなぁと思いました。
また、今回の研修だけではやりきれなかった内容も多く、次回の研修の希望も寄せられたため、また研修を開いていきたいと思いました。 同じ地域にプレイワークを話せる仲間がいることは、その人の子どもとの関わりが良くなっていくだけでなく、今後活動の広がりやモチベーションにも影響が大きいと思うからです。
遠藤みゆ
ハックの家 遊び空間デザイン 6~8日目 第1回完結!
9月11日より「特定非営利活動法人ハックの家」の障がい児放課後デイサービス「ピーターズキッズ」にて、遊具づくりをしています。
【9月16日】梁、滑り台
前日に滑り台の高さが決まり、同じ高さに合わせて梁を繋げていきます。
工程も半ばを過ぎて、疲労が溜まっている頃だと思いますが、こんなポーズでもキリッとカメラ目線!笑いがたえない遊具制作です。
梁に滑り台の斜面の土台となる木材をかければ、その形がだんだんと浮かび上がってきました。
休憩中に語り合っていると、プレーワーカーも施設のスタッフも地元のお父さんも、仲間のような連帯感が生まれます。
「おれたち、よくここまで作ったよな」 そんな呟きが聞こえるような背中です。
【9月17日】上棟式
この日はウッドデッキの床を張っていきました。木材を等感覚に並べると、風が気持ちいい見晴らし台のようになりました。ここに立てば海まで見渡すことができます。
デッキが完成すると、遊具ですが上棟式が行われました。
遊具制作を手伝ってくださった施設のスタッフや地元の方、それを見守りながら園庭の草刈りをしていた地元のお母さん達、遊んだり大人の手伝いをしたり自由に過ごす子ども達…遊具制作を中心に集まった人々全員で、遊具が無事に完成することを願いました。
遊具制作なのに、子どもから大人まで集まって、まるで地域のお祭りです!
【9月18日】初すべりセレモニー
とうとうこの日が来ました。
すべり面に板を張っているのを見たお母さん達が何かを思いついたようにバタバタと動き始めました。
「そろそろ完成だから、アレやろう!」
おもむろに風船を膨らませ始めました。
「テープカットみたいにしたら面白いと思うんだよね!!」
カラフルな風船が滑り台に飾られます。
制作開始から8日目、滑り台が完成し「初すべりセレモニー」を行いました。
風船と紅白のテープが用意され、全員でカウントダウン。
「3,2,1・・!」
鮮やかな風船を吹き飛ばして、最初に滑ったのはお母さんたちでした。
大人も遊んでみなければ、そのすべる楽しさも、興奮するドキドキも感じられません。 危険ポイントもまた、遊んでみないと見えてきません。
そして子どももきっと遊ぶだろう、何歩で登れるか競争!
足腰が強くなければ、斜面の途中で失速して滑り降りてしまします。
用意された遊び方を消費して飽きる遊具ではなく、発想が広がるほど、そして身体が発達するほど遊び方が増える遊具に。
プレーワーカーが、そこで遊ぶ子どもを見つめて設計した遊具が形になりました。
汗あり、笑いあり、感動ありな熱い遊具制作、第1回完結!
…しかし実は、完成したのは複合遊具のほんの一部だったのです。
第2回は複合遊具がさらに面白くなります。
次回に続きます!
【ハックの家バックナンバー】
1日目 http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/12/231000
2日目 http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/13/000000
3日目 http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/16/112000
4日目 http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/25/000000
特別インタビュー「なぜプレーワーカーズに遊具づくりを依頼したのか?」
http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/28/202500
5日目 http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/10/11/142300
6~8日目 第1回完結! http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/12/08/000000
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