子どもが主体になる時 -気仙沼市立面瀬小学校総合の授業2日間-
2016年9月26日(月)~27日(火)の2日間(計11時間)、気仙沼市立面瀬小学校で「面瀬川ふれあい農園」内の子どもの遊び場「あそぼーや」をどう発展させていくのか、アイデアを考える授業が行われました。
今回の授業は他に類を見ないほど素晴らしい企画でした。
まず、子どもが主体となって子どもの居場所を考える時間を、総合の授業として2日間計11時間も割いたこと。次に地元住民や専門家を含む6つもの団体(気仙沼市立面瀬小学校・面瀬公民館・面瀬川ふれあい農園運営委員会・神戸大学・コンサル会社のアルメックVPI・当団体)が協同ですすめた授業であったこと。そしてなにより、地域について考える授業を単なる体験で終わらせない、子どものアイデアをアイデアで終わらせない教員・スタッフの意識がありました。
2016年4月に「面瀬川ふれあい農園運営委員会」が発足して以来、地元住民と当団体が模索し続けてきた面瀬川ふれあい農園の発展ですが、今回の授業は子どもの意見を取り入れるいい機会になると思います。
子どもたちのアイデアがどのように生み出されていったのか、面瀬小学校での2日間をご報告したいと思います。
【1日目】
面瀬川ふれあい農園運営委員会の構成員である地元の住民が“先生”となって、子どもたちのアイデア出しを手伝いました。
面瀬川ふれあい農園の農業アドバイザーの児島さん、子どもに見せようと珍しい種類の野菜を持ってきていました。
「これはこの農園でとれたトマトです」
「ええー!?」
カボチャのような巨大トマトに、期待どおりの反応の子どもたち。まさか地域でこんな珍しい作物が作られているとは、みな驚きの表情でした。
面瀬川ふれあい農園運営委員会のアドバイザーでもある中井公民館長からは遊び場の条件について説明がありました。面瀬川ふれあい農園は農地を活用しているため、平地は年に1回は畑として利用しなければいけない、建物は山林か駐車場側に、等々条件があります。
そしてさっそくグループに分かれてアイデアを出し合います。グループは水辺・遊具・建物・植物・生きものの5つで、それぞれに地元住民や神戸大学の学生や当団体の神林・遠藤がファシリテーターとして配置されました。
「だれのために、なにを、どのようにつくるか」
ただアイデアを出すのではなく、その裏付けとなる理由まで考えるよう、先生から指示がありました。ところが、子どもたちの意見を聞いていて目立っていたのは、“誰か”のために作ろうとしているけれど、その“誰か”が曖昧だということです。
「小さい子が転んでもケガしないように芝生をつくろう」
「地域の人と交流するためにカフェをつくろう」
「高齢者のためにベンチをつくろう」
とても良い意見ですが、おそらくそれだけでは子どもが主体となる議論は進みません。
このことについては「プレーワーカーのお話を聞く」という時間に当団体の神林も「自分のやりたいことを意見としてだしてほしい。」とアドバイスしました。
子どもたちに変化が出たのは2日目からでした。
【2日目】
2日目は各グループのアイデア発表から始まりました。
川を利用した流れるプールや花を植えて絵をつくるなど、すぐにも実現できそうなアイデアもありましたが、疑問点や意見がぶつかるとかなり白熱しました。
生きものグループが「動物を飼いたい」と発表したところ、「誰が世話をするの?」と質問が飛びます。
「ヤギを飼ったら雑草を食べさせたらいい」
「自分の家から野菜を持ち寄ろう」
「畑でエサをつくったらいい」
「おこづかいからエサ代をだすのはイヤだ!」
アイデアの問題点を指摘されると、だんだん現実を想像するようになり、自分が中心になっていきました。主体が子どもになっていきます。
植物グループが「小さい子やお年寄りが転んでも痛くないように芝生をつくりたい」と言うと…
「芝生でボール遊びしてもいいんですか?」
「でもボール遊びしたら、小さい子にぶつかるかもしれない」
「芝生があったら、いろんなスポーツをしたい」
「小さい子が怖がるからスポーツは禁止にすべきだ!」
「じゃあ小さい子とスポーツの場所を分けたらいい」
「バスケ・サッカー・バドミントン…いろいろやりたいと狭くなっちゃう」
「時間で区切ったらいいんじゃない?」
この議論は決着がつきませんでした。しかし、発表の時間が終わると休憩時間にも関わらず子どもが「さっきの対策を考えよう」と机のまわりで「あーでもない、こうでもない」と考えていました。
子どもたちが楽しむためにデザインした遊具グループの「年中遊べるウォータースライダー」にも意見が飛びます。
「服のまま滑ったら濡れてしまう」
「水着を貸したり、更衣室をつくったらいい」
「冬は寒くて滑れないのでは?」
「お湯をつくって流すからいい」
「どこでお湯をつくるの?」
「かまどでつくる」
また、ハンモックやボルダリング、ターザンロープがついた複合遊具にも意見が出されます。
「遊具から落ちたら危ないのでは?」
「マットを置くから大丈夫」
「マットはどこから持ってくるの?」
「羊を飼ってその毛をマットにしたらいいんじゃないか」
そして議論はさらに深い問題に迫ります。
「他の人が危険と言ったって、自己責任で遊んだらいい」
「けどつくった人の責任問題になるから…」
遊び場がはらむ現実問題が浮き彫りになったような議論でした。これが子どもの間で交わされた言葉だということにも衝撃を受けました。
上記は意見の一部ですが、今回出された意見のいくつかは実現されていくでしょう。その時子どもたちは改めてどう感じるのか楽しみです。
この日の最後に子どもたちが「あそぼーや」の看板をつくりました。表面にはオリジナルキャラ、裏面には全員の顔が描かれています。地域の大人が作った「こどもの遊び場」が子どものものになっていく第一歩です。
2日間計11時間という時間を割くには、教育現場の大変なご苦労があったことと思います。しかしじっくり時間をかけたからこそ、「誰かのためにつくっていたアイデア」が「自分たちのためのアイデア」になっていき、子どもが主体になっていきました。だからこそ、他に類を見ない素晴らしい時間になったのだと思います。
昨年から構想が温められ、ようやく形になってきた面瀬川ふれあい農園。こんな形で子どもたちに活用されることになるとは予想外の功績でしたが、今後も活用されていくことを期待します。
【面瀬川ふれあい農園バックナンバー】
2016年9月2日 「失敗した甲斐があったよ!」面瀬川ふれあい農園夏の連続開園
http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/02/090000
2016年8月2日 ひろい草原と川のある遊び場 オープン!!
http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/08/02/190000
2016年6月26日 居心地いい場所
http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/06/26/193500
2016年5月21日 気仙沼市面瀬に子どもの居場所が!
http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/05/21/200000
2016年1月23日 気仙沼の小学校で授業をしてきました!
http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/01/23/210000
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わらすのわ座談会 ゲスト 気仙沼市福祉部子ども家庭課 菅原係長
わらすのわ座談会「気仙沼の子育て環境って?」
日時:2016年9月27日(火) 18:30~20:00
主催:子ども支援者ネットワークわらすのわ
★子ども支援者ネットワーク「わらすのわ」とは、気仙沼で子どもの環境に問題意識を持つ団体・個人の集まりです。
今回の座談会では、気仙沼市福祉部子ども家庭課の菅原係長をゲストに迎え、企画した当団体の神林が質問者・聞き手となって、気仙沼市の子どもの環境について話を聞きました。参加したのは、保育士や子どもに関わる活動をする者や地元の若者など、20名程度でした。
はじめに菅原係長は子ども家庭課の役割について話してくださいました。保育園や幼稚園が管轄にあることは想像がつきますが、「児童遊園」という公園も管轄しているのは参加者にとって意外だったようです。この会場の外にも遊具がありましたが、この紫会館の遊具ではなく実は「児童遊園」のひとつだと知り、会場に驚きの声が上がりました。
子ども家庭課は児童手当や一人親対象の子育ての支援もしています。その中に「ファミリーサポートセンター」という制度があります。学童保育・塾の送り迎えや病院に行く間子どもを預かって欲しいなど、少しの間子どもの面倒を見てほしい時に使う制度で、支援してもらう人と支援したい人がそれぞれ登録して利用します。とても便利な制度ですが、実際は登録している人の1割しか利用がないそうです。これも参加者には意外な情報でした。
菅原係長に気仙沼の子どもの環境で気になることを質問すると、
「児童相談所の相談件数は年々増加し、気になる子どもが増えている。家族や住環境など震災の影響が大きい。」とのことでした。震災を経験していない子も育つ環境が仮設住宅であるなど、その影響は今なお続いています。
次に「市民やお母さん達にこんな風に子ども家庭課を使ってほしいというイメージはありますか?」と素朴な疑問を質問しました。
「子ども家庭課は児童手当の申請など、1日中お客さんが出入りしているので気軽に来てほしい。イベントの告知など、チラシを持参していただければ幼稚園や学校や児童館に置くことができる。」とのことです。参加者の中では子ども関連のイベントを企画する人も多く、とてもありがたい提案でした。
菅原係長によると、いま子育ての経済支援は自治体間競争になっているそうです。どれだけ児童手当を高く出せるか、どれだけ医療費の免除ができるか等々…。気仙沼市は現在出生率を上げるために「プロジェクト1.90」をすすめており、会議を重ねて子育て支援を見直しています。
この「プロジェクト1・90」の会議はNPOなど民間も参加しており、菅原係長は「課・係の横のつながりをつくっていなかったことに気づいた。」と言います。出生率を上げることを考えると、未婚者の出会いの場から始まり、結婚した後の妊娠・出産時のサポート、子育て中のサポート、高校卒業と共に増加する人口流出の対策、就職や住宅の問題…人間の一生のサイクルを考える必要があります。だからこそ「課・係の横のつながり」が必要だと気づいたのだと思います。
また「プロジェクト1・90」の会議や今回のわらすのわ座談会のように「これからはNPOとも同じ目線で一緒に考えていきたい」と話してくだったのは素晴らしいことでした。
菅原係長と神林のクロストーク後、テーブルごとに意見交換を行いました。
■未婚の若者は子育ての情報を手に入れるのが難しく、子どもを産むビジョンが描き難いのでは?若者が先輩ママと出会う機会がなく、手続きなど不安がいっぱいある。
■高校生が大学進学で県外を選びそこで就職して人口が流出してしまうのは、地元の魅力を知る機会がないことに一因があるのでは?
■今いる子どもって兄弟はいるの?→保育士の感覚では兄弟が多い。けれど母親になる人が少ないため、出生数が上がらないのでは?
■子ども目線での居場所って少ないかもしれない。気仙沼に目玉があったらもっと子育てがしやすくなる。
■実は気仙沼は中学生くらいまで医療費が免除される。知らない若者も多いのでは。
これまで、わらすのわ座談会は何度も開かれてきましたが、行政の方をゲストに迎えたのは初めてです。気仙沼市では官民協同の動きが増えつつあります。子ども子育ての環境が変化する兆しかもしれません。
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青森県三内丸山遺跡でプレーカー!
「Feel The Roots 2016」
日時:2016年9月19日 9:00~16:00
場所:三内丸山遺跡 ピクニック広場
NPO法人「子育てオーダーメイド・サポートこもも」さんに依頼され、今回は青森で冒険遊び場を開きました。プレーカーを呼んでくださった川名さんは、冒険遊び場に関心のある方で、これまで冒険遊び場活動を進めてきました。プレーカーが来ることで冒険遊び場への理解が深まって欲しい…そんな熱い想いを受け止め、今回の開催に到りました。
明るい朝日が降り注ぐ現場に到着すると、待っていたのは遊び場担当のスタッフ達でした。プレーカーを呼んでくださった川名さんはとても明るい方で、「私、晴れ女なんですよ!」という言葉を証明するように、日本列島に台風が到来しているなかで青森県は一日晴天でした。
今回のイベントは、三内丸山遺跡の敷地内で楽器演奏ブースや手作りグッズ・フードの販売ブースが設けられ、そのすぐ隣で遊び場がつくられました。来場した子どもはおよそ150人ほどで、年齢層は5ヶ月の赤ちゃんから中学生くらいの幅でした。保護者はケガに対する認識は寛容な雰囲気で、子どもはのびのび遊ぶことができていたと思います。
祖父母がお孫さんと来場される方もおり、一緒に工作を楽しんでいました。ほかの子がトンカチを使っているのを見て、工作してみたくなった男の子。
「ヘリコプターを作る!」
との孫の言葉を受け、手伝うおじいさん。孫を想ってトンカチも接着もやってあげたいところでしたが、おばあさんに「この子にやらせてあげましょうよ」と止められて譲り、温かく見守っていました。
3歳くらいの男の子でしたので、「難しそうだから手伝ってあげよう」と思うおじいさんの気持ちも分かりますが、どうやらその子は「ヘリコプターが欲しい」という気持ち以上に自分で作ってみたかったようです。その子の「やってみたい」という意欲を感じたおばあさんが声をかけて、おじいさんも気づいたようです。その子が作ったヘリコプターは既成品のようにキレイではありませんでしたが、工作を楽しむ男の子の満足そうな表情はとても良かったです。そんな素敵な一場面もありました。
遊び場では始終、自由に遊びを選べる空気がつくられていました。
ベタベタ色にさわったり、
ガンガン工作したり、
なにやっているか分らないけど、面白い!
今回私たちに求められた役割は冒険遊び場を広めることでした。プレーカーのインパクトが大きく、気になって来場した大人は、「こんな場所あるんだ!」と興味を持ってくださった方も多かったと思います。
また、青森のスタッフはプレーカーの遊びの要素をすごく観察していました。プレーカーの机やイスを見て、「やっぱり台があった方が遊びやすいよね」と改善点を見出したり、「リンゴの木箱だったら貰ってこれそう」という青森ならではのアイデアも飛び出していました。
今後の青森の冒険遊び場活動に期待大です!
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特別インタビュー「なぜプレーワーカーズに遊具づくりを依頼したのか?」
これまでもブログでお伝えしてきましたが、NPO法人ハックの家の障がい児放課後デイサービス「ピーターズキッズ」の園庭で遊具づくりをしています。今回は依頼者の城内さんに依頼にいたった想いをお聞きしました。
【インタビュー:遊具制作の依頼者 城内さん】
ハックの家のスタッフ、城内さんは2年間この遊具制作の構想を温めていたそうです。ピーターズキッズの園庭は十分な広さがあるにも関わらず、滑り台やジャングルジムといった普通の公園にある古い遊具があるだけでした。
遊具を変えることで、障がいによって他人と関わることが難しい子が遊びの中で人と関わったり、筋力や感覚の発達を促したり、そんな変化があるのではないか。そんな構想をしていた時、プレーワーカーズに出会い、遊具制作を依頼するに到ったのです。
プレーワーカーズは依頼を受け、まずは遊具設計のために子どもの遊ぶ様子を見に行きました。プレーカーを使った移動型遊び場を開き、この施設の障がい児がどんな遊びをしているのかを観察し、スタッフの希望を聞きました。そのように子どもに合わせて遊具を考えるのもすごく良かったそうです。手づくり遊具はそこで遊ぶ子どもに合わせてデザインでき、また子どもに合わない部分はあとから作り変えることができます。
遊具制作はまだ始まったばかりですが、移動型遊び場だけでいくつか変化がみられたようです。いつも外に出ない子が移動型遊び場の木製ホッケーが気に入りって、ずっと外でホッケーしていたり、いつも1人でいたり大人とばかり関わっていた子が同世代と遊ぶようになったり…。同世代と遊ぶようになった子は言葉が出るようにもなってきて、同世代と関わるようになったと言います。
そんな変化を目の当たりにし、城内さんはますます期待を寄せているそうです。遊びの中であればその子の興味のわき出るものが分かるかもしれない。そうすれば働く時がきた時に、その子の興味に合う仕事を見つけてあげられるかもしれない。城内さんはその子の人生を想いながら遊ぶ姿を見つめていました。
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子ども時代はその人の一生に関わるものです。その背景となる環境づくりをする「遊び空間デザイン」。ピーターズキッズの園庭が子どもにとってよりよい背景となりますよう、遊具づくりを進めていきたいと思います。
【ハックの家バックナンバー】
1日目 http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/12/231000
2日目 http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/13/000000
3日目 http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/16/112000
4日目 http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/25/000000
特別インタビュー「なぜプレーワーカーズに遊具づくりを依頼したのか?」
http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/28/202500
5日目 http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/10/11/142300
6~8日目 第1回完結! http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/12/08/000000
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ハックの家 遊び空間デザイン4日目
9月11日より「特定非営利活動法人ハックの家」の障がい児放課後デイサービス「ピーターズキッズ」にて、遊具づくりをしています。
【9月14日】柱立て、木材下準備
4日目、てるてるぼうずの効果がでて、雨が霧状になりました。雨でぬかるむと柱立ては危険でできませんが、ギリギリ決行できる天候でした。
基礎が完成し、とうとう柱を立てる時がきました。2日目に作ったローリングタワーが大活躍。丸太はとにかく重いので、男性3人でようやく持ち上げ、ローリングタワーの2人が上で支えます。ぬき板で支えをつけて、仮止めをします。
柱が4本立ちました!
もうすでに遊びたくなるようなわくわく感。ピーターズキッズの子どもたちも窓からじっと見つめており、遊びたくてうずうずしている様子でした。
ピーターズキッズのスタッフは積極的に遊具制作に参加しています。
「道行く人がこっちを見てきますね~」
「やっぱり近所の人も関心があるみたいです。なにができるんだろうって」
そんなお喋りをしながら、防腐剤を塗っていきます。
障がい児の施設ですが、園庭には近所の子どもも時々遊びにきます。特別支援学校に通う子にとって障がいを持たない子と触れ合うことは大切な機会とのこと。
しかし、
園庭で事故が起きたらどうしよう?
スタッフが居ない時に遊びに来たらどうしよう?・・・不安はあります。
ご近所との付き合い方は模索している最中だそうです。
この遊具づくりもきっかけのひとつですが、障がいを持つ子どもへ関心を持つ人が増え、その子たちが生きやすい社会になっていくよう願うばかりです。
5日目へつづく!
【ハックの家バックナンバー】
1日目 http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/12/231000
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4日目 http://playworkers.hateblo.jp/entry/2016/09/25/000000
特別インタビュー「なぜプレーワーカーズに遊具づくりを依頼したのか?」
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ハックの家 遊び空間デザイン 3日目
9月11日より「特定非営利活動法人ハックの家」の障がい児放課後デイサービス「ピーターズキッズ」にて、遊具づくりをしています。その3日目は雨との戦いでした。
【9月13日】基礎づくり・木材の下準備
さらさらと降る雨が止まないなか、遊具作りは続きます。基礎の穴に雨が流れ込むと、スポンジで水を吸いださなければいけません。しかし吸いだした矢先にブルーシートに溜まった雨が流れ込む、そんな賽の河原のような延々と続く戦いが今日も幕を開けます。
準備を始めたその時、
「おはようございまーす」
登場したのはグリーンでコーディネートした、ハックの家のスタッフの佐伯さん。初日から作業に参加しており、「とうとう作業のためにヘルメットを買ってしまいました」とのこと。そのヘルメットに、オリジナルの「ピーターズキッズ」ロゴマークを描き入れる、仕込みよう、さすがです。
5人そろって、土木レンジャー。
さぁ、今日もやるぞー!
さっそく作業開始。今日は遊具の柱を支える基礎を固定する作業です。位置を確認しながら、基礎を埋めていきます。
並行して、丸太の枝の根本を丁寧にけずり、子どもが触っても刺さらないようになめらかにします。そして天然素材の防腐塗料を塗って乾かします。佐伯さん、工具の扱いも様になってきました。
こちらでは、軒下でカンナがけと防腐塗料塗り。
エンドレス・カンナ!
エンドレス・防腐!
やってもやっても終わらず、飽きが来るので、相手の出した歌を唄うというミニゲームをしながら作業していました。どんよりした天気に響く唄は、気分を明るくします。
結局一日雨は止みませんでした。
お昼休みにてるてるぼうずを作ったのに…。
3日目で基礎が完成。明日は柱を立てていきます。
だんだん形が見えて面白くなっていきますよ!
4日目に続く!
【ハックの家バックナンバー】
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ハックの家 遊び空間デザイン 2日目
9月11日より特定非営利活動法人ハックの家のピーターズキッズにて、遊具づくりをしています。その2日目の様子をお伝えします。
【9月12日】タコ作り・ローリングタワーづくり・面取り・遣り方
2日目は天候がくもり、涼しい作業日和でした。
この日は下準備の続き、まずはタコとローリングタワーを作りました。
タコ…?ローリングタワー…???
工具も工程も、遊具づくり初参加者には分からない名前が多く、先輩達に聞きながら覚えていきます。
タコというのは、地面を突き固めるための道具です。
作業中のあだ名は「オクトパス」。
ローリングタワーはこちら。高所で作業するやぐらにタイヤのついたものです。これだけで一つの遊具のようで、すでに放課後学校から帰ってきた子どもに人気でした。少し高いところでも、登った景色は別世界なようです。
次は面取り。角材は角がトゲトゲしているので、かんなや紙やすりで角を取ります。ハックの家のスタッフも作業に参加し、大量の角材の角を削りました。
そしてこの日の目玉は遣り方。枠に張った「水糸」から「さげ振り」を垂らして柱の位置を決めていきます。
そして決定した位置に怒涛の穴掘り。ここに遊具の柱が立ちます。子どもの命のかかった大事な部分。地盤が固く、バールで石を砕きながらスコップでかき出す、地道な作業です。
障がい児の放課後デイサービスをしているピーターズキッズは、夕方に子どもが来ます。
いつもの園庭になにやら大量の木材があり、大人が何人も穴掘りをしている…。
そんな光景にワクワクしたのか、興味津々で覗きに来る子が何人もいました。
「宿題終わったら見に来ようね」とスタッフが促すと、その10分後くらいに男の子が飛び出して来ました。
「宿題終わった!!!」
作業に参加していたピーターズキッズのスタッフは「こんなに早く宿題を終わらせたことない」と驚きの声を上げていました。
ワクワクの原動力は強いものです。
3日目の報告へ続きます。
【ハックの家バックナンバー】
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